「バカ田大学」開講なのだ 早稲田の隣でなく東大で

漫画「天才バカボン」で「入学も卒業も日本一難しい難関校」として描かれる「バカ田大学」。その名のついた公開講座が今月、東京大学で始まった。原作者の故赤塚不二夫さんの生誕80年を記念した企画。現実世界に登場した「バカ田大学」の開講なのだ。

【写真】赤塚りえ子さんと「バカボンのパパ」の像=東京都新宿区

「東京大における『バカ田大学』を始めたいと思います」。1日夜、東京・本郷の東京大学山上会館。CGアーティストの河口洋一郎・東大大学院教授が開講を宣言した。赤塚さんが追究した「バカとは何か」を多彩な講師陣がそれぞれの専門分野から解き明かす。

初回のテーマは「漫画とデジタルコンテンツ」。河口教授と「顔学」で知られる原島博・東大名誉教授が10代から高齢者まで約40人の受講生を前に、赤塚作品のキャラクターの顔や漫画の未来を熱く語った。

終了後、河口教授は「我を忘れた没頭がバカ、極めれば天才。やるなら徹底的でなきゃ」、原島教授は「お利口さんばかりでは退屈。予想不能な10%のバカがいてこそ世界は創造的で楽しいんだと受講生に伝われば」と振り返った。

赤塚作品の長年のファンという薬剤師の女性(48)は「バカは社会を円滑に動かす『ハンドルの遊び』。私もバカを追求したい」。東大大学院に通う男性(24)は「漫画もアニメも生まれる前からあるが、いま見ても発想がすごい」と話した。

漫画の「バカ田大学」はバカボンのパパの出身校。♪みやこの西北、ワセダのとなり――という校歌もある。皇居の北北東、早稲田からも離れた本郷で始まった公開講座は、来年3月まで不定期に開かれる。

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