「パワードスーツ」開発が本格化 2024年に1000億円市場に急拡大へ

 人体に装着して筋力をサポートし、介護や農業、物流、災害対策などの作業の負担を軽減する「パワードスーツ」開発の動きが本格化してきた。高齢化の進展に伴い、2024年には1000億円を突破するなど市場の急拡大が見込まれている。
 パナソニックは11日、三井物産と共同出資するベンチャー企業、アクティブリンク(奈良市)が開発した「アシストスーツAWN-02」を公開した。重量は7キロ台で、背負って使用。装置に内蔵したセンサーで体の動きを検知し、腰部にあるモーターを回転させ、作業者の負担を軽減する。主に物流現場などの積み下ろし作業を想定。アシスト力は約15キロ、稼働時間は約150分。
 想定価格約50万円で来年にも発売する計画だ。アクティブリンクの藤本弘道社長は「農業や介護向けスーツの製品化も目指したい」考えだ。
 一方、ホンダもモーターの力で歩行を支援する「歩行アシスト」を開発している。現在、国内の50カ所のリハビリセンターで実証実験を進めている。
 筑波大発のベンチャー企業、サイバーダインもロボットスーツ「HAL(ハル)」を開発。足が不自由な人が一定期間装着して治療すると、歩行機能が改善される効果があり、既に国内の福祉施設や病院で356台が稼働している。
 国内では今後、超高齢化社会が到来し、人手不足が懸念されている。要介護者も増え、高齢者や女性の活用が求められており、重労働を軽減できるパワードスーツへの期待は高い。
 一方で、パワードスーツの普及には課題も多い。その一つが価格の高さだ。「生産台数が増えないと価格を抑えられない」(藤本社長)との声もある。

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