江崎グリコは31日、クリームサンドビスケット「ビスコ」の2011年度の売り上げが、前年度より約4割多い45億円になりそうだと発表した。
08年度の38億円を上回り、1933年の発売以来、過去約80年間で最高となる。
東日本大震災で工場などが被災し、同社が生産を絞り込んで定番商品の販売に注力したことや、防災意識の高まりで備蓄用の「保存缶」が人気を呼んだためだ。
07年に発売した保存缶は、5年間保存できるのが特徴で、例年は防災の日(9月1日)前後に需要が集中する。ところが、11年度は震災の発生以降、企業の備蓄用としての注文が殺到。生産が追いつかない状態が続き、出荷額は前年度の7倍に達した。
ビスコは発売翌年の34年9月、室戸台風が関西を直撃した際、被災地で格安販売され、のちのヒットにつながった。