今夏開催されるフェス「FUJI ROCK FESTIVAL 2016」の出演者ラインナップを巡り、一部から「政治色が強すぎる」との批判が登場。出演が決まっているアーティストがこれに反論するなど、「ロックと政治」に関する議論が盛り上がっている。
発端は6月16日、学生団体「SEALDs」奥田愛基氏のフジロック出演が決定したことだ。奥田氏の名が出演者として発表されると、一部のツイッターユーザーから、
「チケット買わなくてよかったわ 音楽フェスに政治を持ち込むなよマジで」
「音楽に政治を巻き込むなよ。フジロック最悪じゃん」
「フジロックって音楽フェスだよね。政治について語られても(困惑)」
「インディーズから頑張ってフジロック出たバンドとか心底ガッカリしてるのではないかと。政治色持ち込まないでほしいですよね」
といった声が登場。こうした投稿に対し、「アジアン・カンフー・ジェネレーション」の後藤正文は6月20日、ツイッターで、
「フ ジロックに政治を持ち込むなって、フジロックのこと知らない人が言ってるよね。これまでいくつものNGOやアーティストがさまざまな主張をステージて繰り 返してきたわけだし。ただ、ちゃんと真顔で『うるさいよ、馬鹿』くらいは言い返しておかないと、ちょっとだけ何らかの自由が削られる気がする」
と反論した。
これを受けて、同じくツイッターでは議論が盛り上がっており、
「フジロックに政治色がないといつから思ってたの?それ思ってる人ってフジロック行ったことあんの?」
「フジロックは元々政治色の強いイベントのようなので奥田くんの参加は違和感ないと思う」
「フジロック、政治色のあるバンドはいくら出ても問題ない。しかし政治団体が出るのはさすがにあかんよ・・」
「金払うんだから音楽の素人とか出すなよって事じゃないの?」
などと、人によっては政治色を感じる人物が出演することに対して賛否の声が投稿されている。さらに、
「ブルースから生まれたロックは反体制的な内容の曲が多い」
「政治色や思想の無い音楽ってどんなん?」
「ロックとは元来、政治的だったはずだが、政治色があってはいけない、とか、中立が大事とか、勘違いしている輩が横行し始めたようだ」
「そもそもロックってカウンターカルチャーでしょうが。フジが政治色帯びてるのは時代の必然。頑張れロックンロール!」
など、多くの人がロックのあり方や存在意義についてツイートしている状況だ。
今 年もRED HOT CHILI PEPPERS、BECK、SIGUR ROS、WILCO、BABYMETALなど、豪華なラインナップをそろえたフジロックだが、奥田氏が出演する2日目「Gypsy Avalon」の「アトミック・カフェトーク」は、注目のステージとなりそうだ。
(金子則男)