「ブルーベリー」を食べすぎるとどうなる?知っておきたいブルーベリーのメリット&デメリット

ブルーベリーに含まれる栄養素には、健康によい作用を持つものが多い反面、とり方を間違えてしまうと体調をくずす危険性もあるのだとか!

管理栄養士と食生活アドバイザーの資格を持つライターのゆかりさんに、ブルーベリーの食べ方によって体にどのような悪影響が及ぶのかと、1日に食べてもいい量の目安について紹介してもらいます。

健康増進やアンチエイジングに!ブルーベリーを食べる「メリット」

ブルーベリーとは、ツツジ科スノキ属の果樹にできる丸い果実のことを指し、夏から秋にかけて青紫色に熟し、甘酸っぱい味が特徴です。

品種によっては500円玉大の大粒のものもあり、生食、ジャム、ジュース、果実酒、ドライフルーツ、お菓子づくりの材料などとして食べることができます。

そんなブルーベリーには、おもに次のような栄養素が含まれています。

・ビタミンK
・ビタミンE
・食物繊維
・ビタミンC

これらには、骨を丈夫にする、老化を防ぐ、お腹の調子を整える、日焼けを防ぐ、ストレスや風邪などの抵抗力を高める、などといった働きがありますよ。

そのほか、アントシアニンなどのさまざまなポリフェノールもは含まれていて、その量は一般的に食べられている果物の中でもっとも多いといわれています。

アントシアニンは赤・青・紫などの色のもととなる成分でもあり、果実が熟すほど含有量が増えていきます。抗酸化作用や視覚機能の改善などの働きを持ち、生活習慣病などの予防にも期待できます。

このように、ブルーベリーを上手に取り入れることで健康増進だけでなく、美容にも役立つでしょう。

便の変色や太る原因にも?ブルーベリーを食べすぎる「デメリット」

多くのメリットが得られるブルーベリーですが、過剰に摂取したり体質によっては思わぬデメリットが生じることもあります……。

便秘や下痢などの不快な症状を招く

腸内環境を整えたり便秘解消に役立つ食物繊維ですが、とりすぎによっては逆効果を生む可能性もあります。

食物繊維には、水に溶けやすい水溶性食物繊維と溶けにくい不溶性食物繊維の2種類があります。そのうち、ブルーベリーには不溶性食物繊維のほうが多く含まれています。

不溶性食物繊維は、便のかさを増やして腸に刺激を与えて便通を促す作用がありますが、水溶性食物繊維が不足したり不溶性食物繊維の割合が高すぎてしまう場合には、便の水分が減って硬くなり便秘や腹痛などの原因になることも…。

また、食物繊維は消化に時間がかかるため、そのときの体調や個人の体質によっては消化不良を起こすこともあります。それによって、下痢や胃もたれなどの症状が現れることも考えられるでしょう。

食物繊維が多く含まれる皮はとくに消化されにくいため、こういった症状以外にも便に混じってそのまま排出されることもあります。その場合、血便と見間違う可能性もあるため、食べすぎた場合はこのことを念頭に置いておきましょう。

肥満の原因になる

生のブルーベリー100gあたり、エネルギーが48kcal、糖質量は9.6gとあまり多くありません。それに対して、ブルーベリーのジャムは同じ量で174kcal、39.5g、ドライフルーツのブルーベリーは280kcal、54.9gと、糖質量が多く含まれています。

生のブルーベリーであれば、よほど大量に食べない限り太るほどのエネルギーや糖質のとりすぎにはなりにくいといえますが、ジャムやドライフルーツの場合は少量でも多くとってしまうことになりかねません。

「果物だからヘルシー」というイメージがあるかもしれませんが、加工方法によっては食べる量を調節する必要があることを覚えておきましょう。

ブルーベリーを楽しむ量とタイミングは?

上記のとおり、ブルーベリーに含まれる栄養素にはメリットとデメリットの両方があります。

そこでここからは、安心してブルーベリーを楽しめる量とタイミングについて解説していきます。

健康な成人は1日にどれくらい食べても大丈夫?

まず、厚生労働省の食事バランスガイドによると、果物の1日の摂取目安量(※1)は200gとなっています。果物をとりすぎてしまうとほかの食事とのバランスを崩してしまいかねないため、とりすぎには気を付けたいところ。

そのため、生のブルーベリーであれば、次の量を目安にしてみましょう。

・生……200g

次に、間食の目安量が200kcalとされていることから、ジャムやドライフルーツをどれだけとってもいいのかをみていきましょう。

・ジャム……およそ115g(大さじ5.5杯に相当)
・ドライフルーツ……およそ70g(1/2カップ弱に相当)

なお、ドライフルーツには食物繊維が豊富に含まれています。そのため、食物繊維のとりすぎにも注意が必要です。

食物繊維の1日の目標量(生活習慣病の予防のために目標とすべき量)は、男性18〜64歳:21g以上、女性18〜64歳:18g以上となっています。ほかの食品からも食物繊維をとることを考えると、目標量の半分くらいであればとりすぎによる影響は少ないと考えられます。そのことから、食物繊維10g(男女平均で算出)に相当するドライフルーツの量は次のようになります。

・ドライフルーツ……およそ55g(1/4カップ強に相当)

以上のことから、ブルーベリーの生であれば200g、ジャムは115g、ドライフルーツは55gを1日の適量としてみてはいかがでしょうか?(※2)

※1……生の果物について言及していると考えられます。
※2……ジャムは糖度によって目安量が増減します。また、間食の目安はこれら以外を食べないことを想定して算出した数値になっています。間食に一部として食べるのであれば、もっと食べる量を抑えるようにしましょう。

どのタイミングで食べるのがいい?

アントシアニンはポリフェノールの一種です。ポリフェノール自体、水に溶けやすいという特徴があり、体内に吸収されてから作用するまでが比較的短時間であるといわれています。

同時に、尿などで体外へ排泄されやすく効果はあまり長く続かないことから、こまめに摂取することで効果を期待しやすくなるといえるでしょう。
そのため、まとめて一度に食べるより、朝昼夕など1日の中で何度かに分けて食べることがおすすめです。

また、より効率よくブルーベリーの栄養を取り入れたいのであれば、生のままよりも冷凍したりジャムを選ぶのが◎。
冷凍や加熱することで細胞壁が壊れやすくなり、それによって吸収効率が高くなることが期待できますよ。

ただし、凍ったままでは甘味を感じずにくくなってしまうため、冷蔵庫や常温にしばらく置いて解凍してから食べるか、牛乳やヨーグルトなどと一緒にミキサーにかけてスムージーにするとおいしく食べられます。

正しい量を把握できていれば、ブルーベリーはメリットが多い食品です。ブルーベリーのメリット・デメッリトを理解し、上手に取り入れていきましょう。

■執筆/監修・・・
管理栄養士・ゆかりさん管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとしても活動。

構成/サンキュ!編集部

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