「モーニングショー」のサブ司会者で人気だった八波一起さん (ゲンダイネット)

 かつては芸能ネタが主流だったワイドショー。しかし、最近は政治、経済、それに世界の動きがメーン。様変わりぶりは驚きだが、3日登場の八波一起さんは80年から93年までの14年間、テレビ朝日の「モーニングショー」で溝口泰男、江森陽弘、内田忠男などの司会者をサポートするサブ司会者として人気だった。今どうしているのか。
「93年に『モーニングショー』を降りてすぐに仙台の東日本放送で毎週土曜日昼の『八波一起のTVイーハトーブ』が始まり、これが11年続いて、50手前まではけっこうトントン拍子できたんです。だから、仕事がパタッと途切れたときは参りましたねえ。生活に困ってそれまで住んでた二子玉川の一軒家を売り払い、今の自由が丘の築40年のマンションに引っ越し、カミさんはコールセンターに働きに出ましたから」
 水道橋にある東京ドームホテルのラウンジで会った八波さん、まずはこう言った。
「ボクはたまに入ってくる仕事をこなしながら、もっぱら炊事、洗濯、掃除と主夫みたいな生活を送ってました。ウチはカミさんと娘3人と女ばかり4人いましてね。4人の女もののパンツをベランダに干してるときは、正直、惨めな気持ちでいたたまれなかった。ホント、この5年ほどはつらかったですね」
 長女と次女は国立大学に進学。「苦しい家計を察してくれたんでしょう。これで三女が国立に受かれば、『子供を国立大学に合格させる方法』って本が書けます」と言って笑う。
 さて、そんな試練の時期をしのぎ、八波さんは現在、6本のレギュラー番組を持っている。
「千葉テレビで森田健作さんとご一緒してる『熱血BO―SO TV』、MXテレビの情報番組『ときめきサンデー』、ケーブルテレビのJ:COMの『粋な下町てれび』に『飛び出せ!ゴルフキッズ』と毎週2、3回はロケがあって、あちこち飛び回ってます」
 毎日が日曜日だった主夫時代とは異なり、休みもほとんどないそうだ。
「昨日は静岡朝日テレビの夕方の生番組『とびっきり!しずおか』の“もっと!値切ります”って月1のレギュラーコーナーでマグロのたたき、ブドウを値切ってきました。これ、静岡県内のスーパーに行って、その場で値切り交渉をするんですが、きのうは山梨のブドウ1パック398円を198円、マグロのたたき250グラム380円を190円に値切った。担当者の方は泣いてましたよ、ハハハ。でも、コーナーが終わるとお客さんが押し寄せ、スーパーにとってもいい宣伝になるんです」
 どんなに忙しくても、毎週火曜日は82歳になる母親の介護に充てている。
「きょうだいで分担して介護してます。母は72歳から人工透析を受け、その3年後から認知症の症状が出始めた。ボクが誰だかわからないことも多々あって、申し訳ないけど、早く死んでくれないかな、と思うこともありました。だけど、母はSKD(松竹歌劇団)と改称される前の東京松竹歌劇団出身で、歌や踊りが大好きだから、ボクがミュージカル調で『♪おはよ~』なんて挨拶すると、『♪あら~、なにしにきたのぉ』ってご機嫌で応えてくれる。このトシになっても母親に教わってるんだと謙虚な気持ちになりました」
(日刊ゲンダイ2011年10月3日掲載)

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