「毎日の牛乳をモ~~~1杯。育ち盛りはモ~~~1パック!ぜひ、みなさまのご協力をお願いします」農林水産省牛乳乳製品課の職員が4月21日、農水省の公式YouTubeチャンネルで牛柄の衣装に身を包み、こう訴えました。【BuzzFeed Japan/冨田 すみれ子】
【動画】農林水産省の牛乳購入呼びかけ動画
新型コロナウイルスの影響で、休校で給食がなくなったり、商業施設や飲食店が休業になったりして、牛乳や乳製品の消費の落ち込みが問題になっているのです。
行き場を失った生乳の廃棄をどうにか避けるため、農林水産省が牛乳や乳製品の購入を呼びかけています。
政府が小・中・高校などに休校を要請した3月上旬から、休校によりキャンセルされた給食で提供するはずだった牛乳が余り、酪農家への打撃が問題になっていました。
農林水産省は、当初から牛乳や乳製品の購入を呼びかけていましたが「緊急事態宣言の対象地域拡大によって、牛乳や乳製品の消費の更なる減少が懸念されている」として、4月21日から新たに「プラスワンプロジェクト」を始めました。
プロジェクトでは、牛乳やヨーグルトを普段より1本多く消費することを推進しています。
給食だけでなく、緊急事態宣言に伴う休業要請で、カフェやレストラン、百貨店の牛乳を使ったメニューやスイーツなどの、業務用の需要が大きく落ち込んでいるそうです。
農林水産省 / Via maff.go.jp これからの季節が生乳生産のピーク
農林水産省によると、春先が乳牛の出産のピークで、出産後約1、2カ月程度の乳量が最も多いため、4~6月ごろが生乳生産のピーク。
同省はリリースで、こう説明しています。
「今後、生乳生産が6月までのピークに向けてさらに増加していく中で、乳業メーカーの乳製品の製造能力を超えてしまい、行き場を失った生乳を廃棄せざるを得ない状況に陥るおそれがあります」
「生乳生産にあたっては、乳牛の病気を防ぐため毎日搾乳し続ける必要があり、工場で生産される産物と違って、生乳の生産量は短期的にコントロールできません」
同省は3月、卒業式や各イベントの中止で花が売れなくなり、花農家が打撃を受けているとして、花の購入を呼びかけるキャンペーンも実施していました。
農林水産省は3月の給食キャンセルをきっかけに、生乳をバターやチーズなどの乳製品への加工によって行き場を失う生乳が出ないよう、生産者団体や乳業メーカーと協力して取り組んでいました。
今後、生乳の廃棄などを発生させずに乗り切るために、普段の買い物の際に「牛乳やヨーグルトを普段より1本、特に育ち盛りの方は更にもう1パック多く購入」することをお願いしています。
SNSでは「応援したい」「もう1本多めに買います」「酪農家の方々頑張ってほしい」など前向きな受け止めの一方、「なぜ特定の業界だけ」「酪農だけでなく飲食業界や他業界も苦しい」といった声も出ています。
農水省によると、6月までの生乳生産のピークを乗り切れば、「生乳の廃棄の危機を回避することができる」見通しだそうです。