「ラーメンガチャ」第3弾始まる よりすぐりの1杯模したキーホルダー、山形の麺文化を地域挙げて発信

 ラーメンの年間外食支出額が日本一の山形市で「ラーメンガチャ」と呼ばれるカプセルトイが人気を集めている。市内のラーメン店が提供するよりすぐりの1杯の画像がプリントされたキーホルダー。同市の大風印刷が昨年発売し、シリーズ2作で計5000個近くが売れ、4月22日には第3弾の販売が始まった。子どもや障害者も事業の一端を担い、地域を挙げたラーメン文化の発信を目指す。

障害者施設に作業を委託、児童発案の回収箱も導入

 ラーメンガチャは「メン愛好家」が正式名称。直径5センチの円形キーホルダーで、1個500円。計5種類とシークレット1種類があり、カプセルに入れ、自動販売機「ガチャポン」で販売している。ラーメンの画像は大風印刷が自社技術でプリント。キーホルダーを提供店で見せると、大盛り無料などの特典がある。

 大風印刷によると、昨年4月発売の第1弾は600個以上、10月の第2弾は3500個以上が売れた。第3弾はガチャポンの設置場所に2カ所の商業施設を加え、7カ所に増やした。

 山形市は総務省が公表した2022年の全国家計調査で、1世帯当たりのラーメンの年間支出額が日本一となった。21年の調査で新潟市に抜かれたが、わずか1年でトップを奪還した。

 大風印刷の高木龍人さん(33)は「日本一の座を守るため、市民の関心をさらに高めたい。来店頻度の増加と各店のブランド力向上に貢献できれば」とガチャの企画意図を説明する。

 カプセル詰めの作業は市内の社会福祉法人に委託。工賃を支払い、障害者の生活向上を支援する。

 第3弾ではさらに同市蔵王一小で昨年、6年生が考案した使用済みカプセルの回収箱も導入。カプセルを投入すると、溝を伝って転がり落ちて下部の穴に入る仕組みで、児童のアイデアを基に市内の木工会社が廃材を利用して製作した。

 考案した一人で、現在は蔵王一中1年の青木悠真さん(12)は「楽しく捨ててもらうことできれいになり、たくさん売れて日本一が続いてほしい」と願った。

 第3弾は10月末までの予定。高木さんは「いずれは山形市周辺にも販売エリアを拡大し、山形ラーメンを広く発信したい」と意気込む。詳細は大風印刷のホームページで紹介している。

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