長年、本県沿岸の代表的な地形を示してきた「リアス式海岸」という表現が消えつつある。現在は「式」を除いた「リアス海岸」が主流となっており、教科書や三陸ジオパーク推進協議会が使う表記も、大半がリアス海岸に変わってきている。
教科書出版の教育出版によると、同社の教科書は2006年度版から「リアス海岸」を使用。「リアス」はスペイン北西部に見られる「リア(出入りの多い湾)」に由来し、英語圏やドイツ語圏の国々でも、リアス式の「式」に該当する表現はないという。
日本では和訳後にリアスとリアス式が混用され、同社も教科書で使っていたが▽地名のように受け取られ誤解を生じやすい▽地形の形状そのものを示しており「式」を入れる必要がない―などの理由で、現在の表記に統一した。
三陸ジオパーク推進協議会もリアス海岸を使っており、関博充ジオパーク推進員は「学術的に使われている言葉なので、申請書などもリアス海岸と表記している」と説明する。