日本列島南岸で発達する低気圧の影響で、東京都心では22日、戦後4番目の大雪となった2014年2月(27センチ)以来、4年ぶりの大雪警報が出された。都心の1日の積雪としては4年ぶりとなる20センチ超え(午後9時現在で21センチ)を記録。交通機関は大幅にダイヤが乱れ、通勤客からは「東日本大震災後の運転再開以来の混雑」との声も上がった。23日午前6時までの降雪量は東北、関東甲信で30センチとされ、気象庁が警戒を呼びかけている。
4年ぶりとなる警報級の大雪が、都心の帰宅ラッシュを直撃した。地下鉄の東京メトロでは、各駅ごとに運転再開と見合わせが繰り返された。駅構内も混雑し、通勤客の30代女性は「ホームを歩くのも大変。通常10分程度の区間で1時間近くかかった」。40代の会社員男性は「こんな混雑は震災直後の運転再開の時以来」と話した。駅にはタクシー待ちの長い列ができた。
東京都は22日午後6時40分から、東京湾にかかるレインボーブリッジの一般道部分を閉鎖。閉鎖前に追突やスリップ事故が数件起きており、一時、数十台が取り残された。
都心の私鉄では京浜急行電鉄の品川駅、東急電鉄渋谷駅、西武鉄道の池袋駅、高田馬場駅、西武新宿駅で入場が規制された。京急によると、列車の本数が減ったのと、早めに帰宅する利用者が集中したためとみられる。ゆりかもめは全線で運休。小田急電鉄は午後から特急の運転を全て取りやめた。東武鉄道も多くの特急が運休となった。
JR東日本も在来線の大半で本数を減らす間引き運転を実施。中央線や常磐線、総武線などの大半の特急を運休とした。空の便も、日航や全日空、AIRDOなどで羽田発着便を中心に全国で計250便以上が欠航した。成田空港では、午後7時15分ごろ、日本航空マニラ発成田行き742便が着陸後に立ち往生。滑走路2本が閉鎖されており、マニラやセブからのフィリピン航空機2機が燃料不足で羽田空港に緊急着陸した。
都内では昼ごろに雪が降り始め、夕方には都心部でも積雪を記録した。警視庁によると、22日の雪の積もり始めから午後9時までに、バイクの転倒など人身事故が41件、物損事故が625件発生。多くは雪の影響とみられる。22日午後0時45分ごろには、積雪があった三鷹市の中央道下り線の三鷹料金所近くで乗用車が横転した。
このほか、東名高速の東京-清水(静岡県)インター間で通行止めとなった。午後2時5分ごろには横浜市旭区の雪が積もった市道で、相鉄バスが電柱に衝突し、30代の男性運転手が胸などを打ち軽傷。乗客10人にけがはなかった。