新型コロナウイルスの感染拡大を受け、宮城県大河原町と柴田町が白石川沿いの「一目千本桜」(大河原、柴田町)や船岡城址公園(柴田町)を会場とする4月開催予定の「おおがわら桜まつり」と「しばた桜まつり」をそれぞれ中止することが2日、分かった。宮城県内で「日本さくら名所100選」に唯一選ばれている会場で開催される両まつりの中止は、東日本大震災の2011年以来となる。
両町とも白石川沿いや船岡城址公園の立ち入り制限はしない方針で、近く正式発表する予定。
日程は大河原町の「おおがわら桜まつり」が4月1~17日、柴田町の「しばた桜まつり」は同3~19日だった。会場の白石川沿いや船岡城址公園周辺には例年、プレハブ屋台などが並び、飲食をしながら花見を楽しむ人たちでにぎわう。
関係者によると、桜並木の歩道などに人が集中するほか、先月29日に宮城県で新型コロナウイルスの感染者が初めて確認されたため、開催は厳しいと判断したとみられる。
白石川沿いの一目千本桜は約8キロに約1200本が並ぶ。船岡城址公園には約1300本植えられている。両町は同時期に桜まつりを開催するなど協力して観光誘客に努めてきた。昨年の観光入り込み数はそれぞれ約25万人に上った。