「上半期ブレイク芸人」1位はやす子 SNSでバズり中の自作曲やCM出演で急上昇

年末の賞レースが上半期のブレイクに大きく反映されるお笑い界。王者となった芸人や、優勝には届かなかったものの爪痕を残した芸人たちが、日々しのぎを削っている。ORICON NEWSでは恒例の『2023年 上半期ブレイク芸人ランキング』を発表。1位に輝いたのは、独自路線で認知度を上げた【やす子】だった。若手、中堅入り乱れる上半期TOP10に名を連ねた芸人たちは? 【ランキング表】賞レースで頭角を現す若手、中堅芸人入り乱れる総合TOP10

■“おもしろ荘”出身の元自衛官、上半期のテレビ出演本数も爆上がり

 昨年末発表の年間ランキングでは4位に初登場した【やす子】が、今年上半期の1位を獲得。ブレイク芸人の登竜門的番組『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)の『おもしろ荘2021』をきっかけに認知度を上げ、『さんまのお笑い向上委員会』、『ドッキリGP』(ともにフジテレビ系)等での出演を重ね、独特の立ち位置を確立してきた。自衛隊出身ならではの「5段階ほふく前進」ネタや、「はい~」という口癖でも人気を博している。  ニホンモニター株式会社調べの「テレビ番組2023上半期ブレイクタレント」では8位にランクイン、番組出演本数も2022年上半期の67本から、2023年上半期は144本と1年で倍以上に伸ばし、まさにブレイクを体現した。  そんなやす子にユーザーからは「いろんな番組でよく見たので。個性的なキャラクターで印象に残るし、観ていて不快にならない。がんばって!と思ってしまう可愛らしさがある」(東京都/40代・女性)と独特な個性を評価。また「やす子さんは、以前自衛隊に所属していたという経験から色々バラエティでそれを活かしたお仕事をされていたり、最近CMにも出演されているのを観て、すごく活躍されているなと思ったので」(富山県/20代・女性)との声もあった。  パソコンなどを使って作曲するのも特技で、SNSでオリジナルソングを公開。デジタル配信もされ、YouTube、TikTokで話題を集めている。また、ブレイクの象徴でもあるCMにも起用され、キンチョウ『コンバット』のテレビCMやテレコムスクエアのWi-Fiレンタルサービス『WiFiBOX』のウェブCM等の出演が相次いでいる。露出もみるみる増えている彼女に「見ない日はないぐらいの大活躍ですね。どんな無茶ぶりでも対応してしまうやす子さんも好きです。SNSのオリジナルソングを歌ってるところも可愛くて好きです」(東京都/50代/女性)と称えられた。

■芸歴20年以上のベテランが急上昇 実力が世間にも届いた遅咲き芸人

芸歴20年のおじさんコンビ、なすなかにしが急上昇 (C)ORICON NewS inc.

 年末の同ランキングで8位だった【なすなかにし】が2位に大幅ランクアップ。テレビ出演本数も2022年上半期が77本だったところ2023上半期は155本と倍増している。  いとこ同士ならではの息の合った漫才を披露してきた芸歴22年のベテランコンビで、“なすなか”の愛称でも親しまれている。ロケ技術の評価が高く、様々な番組からリポートの腕を求められており、『ラヴィット!』(TBS系)では、「なすなかにしのおじさんに教えて!」のロケ企画で、Z世代の流行やファッションをおじさん視点で学び、存在感を発揮している。  そんな“なすなか”に「色々な番組で見ましたが、どのロケでも本当に面白かったです」(神奈川県/40代・女性)、「ロケ芸人としての地位を確立してきたから情報番組のロケでの安定感が兎に角すごい」(大阪府/40代・女性)などと評価されている。

■盛山の『ゴチ』出演も起因、出演番組のジャンルも拡大

コンビでもピンでも活躍の見取り図は3位 (C)ORICON NewS inc.

 【見取り図】が3位にランクイン。コンビとしては『ラヴィット!』(TBS系)の水曜レギュラー、そして今年1月より盛山が抜擢された『ぐるぐるナインティナイン』の「グルメチキンレースゴチになります!24」レギュラーもTOP3入りの大きな要因となった。  そんな彼らに「ゴチに出た、それだけで知名度は爆上がりだと思います」(埼玉県/30代・男性)、「特に盛山さんがピンでもたくさん活躍されていたと思うので」(埼玉県/30代・女性)と“ゴチ”の効果は絶大。  東京進出を経て認知度が全国区になったことで、レギュラーの『見取り図じゃん』(テレビ朝日系)のほか、『あらゆるモノを計測バラエティ! アレコレはかり隊』(日本テレビ系)、『極城の見取り図 ~天下取る前に築城しちゃうぞ!~』(TBS系)など各局の特番MCにも多数起用されている。  視聴者も「テレビで見る機会が多く、いろんな分野のテレビに出ているから」(滋賀県/10代・女性)と実感。バラエティのひな壇がこれまで主な出演番組であったが、単発の冠番組やイベントでの進行役なども増え、認知度の高さとMC力も少しずつ評価されてきている。

■賞レースで実績獲得&『ラヴィット!』『ヒルナン』出演芸人がこぞって飛躍

昨年のM-1グランプリ優勝のウエストランドは4位に (C)ORICON NewS inc.

 昨年のM-1グランプリ優勝の【ウエストランド】が4位にランクイン。2021年の錦鯉に続き、吉本芸人以外の優勝したことが世間にインパクトを残した。優勝後も決勝で披露した「あるなしクイズ」ネタを、番組ごとに「オリジナルバージョンで」と頼まれることが多く、井口浩之は「仕事の99%が悪口」であると悩みを打ち明けることも。  ユーザーコメントもM-1についてが多く「M-1優勝で有名になった後も、おそらく生き残れるよう自分たちでいろいろ考えているし、またその頑張りが形になっていると思うから」(三重県/50代・女性)、「なんといってもM-1優勝が大きく、河本の謎キャラも相まって楽しめるコンビと再認識できた」(愛知県/40代・男性)との声も。  最初は井口の存在が目立っていたが、露出が増えるなかで、数々のポンコツエピソードがある相方・河本太のキャラクターもピックアップされることが増えてきており、バラエティ等でさらなる活躍も期待できそうだ。  5位の【コットン】はキングオブコント2022準優勝を機にブレイク。『ラヴィット!』の準レギュラーや、4月からは『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)の月曜レギュラーと人気番組への出演も増加。コメントでも「テレビでよく見かけるようになった。トークやリアクション、ロケも安定していて上手」(神奈川県/50代・女性)と評価が高い。  女装もこなす、きょんの濃いキャラが注目されがちだが、西村真二は元広島ホームテレビのアナウンサーという経歴を持つ。Twitterで「衣装予報士」としてその日の天気に合う服装を投稿しており、こちらでも認知度を拡大。「よりテレビでよく見るようになったと思う。また、西村さんのTwitterで明日の天気予報から毎朝どんな服装が適しているかツイートしていて、個人的にとても助かっているため」(東京都/50代・女性)との意見も。  9位の【モグライダー】は、2021年にM-1グランプリで初となる決勝進出を果たした。これを機にバラエティ番組の出演が増え、冠番組やMC番組も増加。イケメンの芝大輔、憎めないキャラのともしげの名コンビぶりで、『ラヴィット!』では「モグ飯キッチン」や「モグライダーのモグ散歩」といった企画も人気だ。  そんな彼らには「振り返ると1番よくお見かけしたなと思いました。あらゆる番組で結果を残している印象があります」(福岡県/30代・女性)と上半期の活躍を評価する声が寄せられた。  【やす子】が1位となった同ランキング。これまでピン芸人の1位獲得は2021年のもう中学生の再ブレイク時以来となった。TOP10を占める芸人に男性コンビ、中堅芸人等が多い中で、賞レースもとっておらず芸歴も4年の女性ピン芸人の1位はそれだけ個性が際立っていることを証明している。活動の幅も広がっており、「一発屋では…」という心配もなさそうだが、下半期で【やす子】の座を狙う芸人は現れるのか、楽しみだ。 【調査概要】 調査時期:2023年5月31日(水)~6月7日(水) 調査対象:計1000名(自社アンケートパネル【オリコン・モニターリサーチ】会員10代、20代、30代、40代、50代の男女) 調査方法:インターネット調査 調査機関:オリコン・モニターリサーチ

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