[ニューヨーク 25日 ロイター] 不眠症から解放されるには、じっとして眠りが来るのを待つよりも、ベッドから出て別の行動をとる方が有効だとする米国の研究結果が、医学誌「Archives of Internal Medicine」で発表された。
ピッツバーグ大学医学部の研究者らから成るチームは、不眠症で悩む平均年齢72歳の79人を対象に4週間にわたり実験を行った。参加者の半分には不眠症対策の本などを読むよう指示した一方で、残りの半分とは面会と電話を合わせたセッションを設け、ベッドで過ごす時間を制限し、寝ている時間と起きている時間の区別を明確にするよう指導した。
その結果、「不眠症が改善した」との回答比率は、セッションに参加したグループでは3人に2人と高かった一方で、本を読むよう指示されたグループでは4人に1人となった。
米カリフォルニア大学サンフランシスコ校のトーマス・ネイラン氏は、「不眠症の人は長い時間ベッドに寝て自分の睡眠について心配するが、これは不眠症になるのを待っているのと同じことだ」と指摘。「真夜中に目が覚めて再び眠りに就けなければ、ベッドから出るべきだ」と述べた。
米国では5人に1人が不眠症に悩んでおり、高齢者になるとその割合は3人に1人に増加。不眠症は高血圧を引き起こすほか、メンタルヘルスに悪影響を与えるとされている。