中華料理とカレーの人気ジャンル同士が融合した「中華カレー」が、新たなトレンドとして広がっている。中国広東省では、インド料理や西洋料理の影響でカレーを食べる習慣があり、日本でも横浜や神戸の中華街でまかない料理として親しまれてきた。近年それらがメニュー化され、常連客やコアなファンを中心に人気を集めつつある。テレビの情報番組でたびたび取り上げられるようになり、一般的にも知名度が浸透してきた。
「中華カレー」の定義は特になく、その店独自のスープをベースに、ゴマ油や五香粉などを効かせてあることが多い。調理方法も具材を炒めてあんかけ状にしたものや、牛肉煮込みをベースにした煮込み風など独自の工夫・趣向がみられる。
神戸南京町にあるビーフンと焼小籠包専門店YUNYUN(ユンユン)では「中華街■厘飯(カレーライス ■=「口」へんに「加」)」(400円)を、1月22日の「カレーの日」から期間限定で販売した。こだわりの白湯スープをベースに、中華鍋を使用して高火力で香ばしく炒めた玉ねぎと豚肉、独自のカレースパイスを合わせた。
店長の金谷拓実さんは「普通のカレーに比べて油分が少ない分、スープカレーに近いサラサラとした食感が特徴」と話す。
YUNYUNの親会社であるケンミン食品では、一昨年からレトルト食品「中華街カレーライスの素」を発売している。カレーの嗜好度、中華料理の浸透度の高さに注目し、家庭でひと味違ったカレーをフライパン一つで手軽に食べられる商品として投入。中華料理の新たな魅力として、家庭用商品事業、外食事業ともにトレンド訴求を強化する。
発信元が個人店から企業へ移り、中華カレーのますますの広がりが期待される。