「五輪で復興進む」2割 仙台市民、都民の半分 意識調査

2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックによる波及効果に関し、地域別に実施した意識調査で、「東日本大震災からの復興が進む」と考える仙台市民が東京都民のほぼ半分の2割にとどまったことが分かった。「自分の住む地域に経済効果がある」と答えたのも約25%で、都民の約62%を大きく下回り、期待感の差が浮き彫りになった。
 調査は、北九州市立大の都市政策研究所が9月19~24日にインターネットを通じて実施。仙台、北九州、福岡の3市と東京都江東区の20歳以上の計1050人から回答を得た。
 結果によると、江東区の39.6%が「震災復興が進む」と答える一方、仙台市は21.3%で18.3ポイントの開きがあった。「景気が良くなるのは東京だけ」とする回答は、仙台市の64.0%に対し、江東区は41.2%。江東区で38.5%に上った「原発事故への対応が進む」は、仙台市では27.7%だった。
 「自分の住む地域に経済効果がある」は、仙台市で25.1%。北九州、福岡両市でもそれぞれ22.9、23.4%にとどまり、江東区(61.9%)と地方都市では36.8~39.0ポイントの差が出た。
 調査を担当した北九州市立大の南博准教授(都市政策)は「地方では、五輪の効果を冷静に受け止める傾向が強かった。外国人観光客受け入れなどで東京と地方が連携し、波及効果を生み出す具体策を考えるべきだ」と指摘している。

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