「人間としてやっちゃいけない」 池谷幸雄、森末慎二と「塚原引き抜き」事例を告発

バルセロナ五輪体操銀メダリストの池谷幸雄氏(47)が2018年9月3日放送の「ビビット」(TBS系)に出演し、塚原千恵子・女子強化本部長(71)にかけられている「引き抜き」疑惑について、「人間としてやっちゃいけない」と強く批判した。

リオ五輪代表の宮川紗江選手(18)は、千恵子氏が指導する朝日生命体操クラブに引き抜かれそうになったと会見で告白。池谷氏は、引き抜きを「人の夢を打ち砕く」ことだとして激怒した。

  • 宮川紗江選手のフェイスブックから

「生涯をかけて育ててきてる」

池谷氏は「僕ら(体操指導者)の場合、すごく労力を使って、自分を削って自分の夢に向かって選手を育てます。引き抜きは、その夢をバッサリ剥ぎ取られる感じです。強くなってこれからだ、という時に選手を引き抜かれたら、指導者は夢を砕かれるんです」と力説した。

番組に出演したロス五輪金メダリストの森末慎二氏(61)も「一番おいしいところだけ持っていかれる。向こうがいいなと思った選手は、ナショナル合宿に呼ぶ。選手が参加して帰ってくると、『(合宿で説得されて)辞める』と言ってくる。だから、合宿に呼ばれても選手を出さない、怖いという指導者もいます」と実態を語った。

池谷氏は「僕が小学校のころに、まわりの友達が朝日生命に行っています。移籍の数を見ると、異常に朝日生命に集まってるんです。勧誘されて行った選手も知っていますし、何回も勧誘されたけど断った選手もいます」とすると、「一番問題なのは、宮川選手と速見(佑斗)コーチは、中学生の時代からことごとく断ってきたと聞いています」と、宮川選手が朝日生命から長年引き抜かれそうになったことを語っている。

そもそも引き抜きの是非について、森末氏は「御法度。せっかく育てて、やっとこさこれからというのをふっと持っていかれるということです。あるコーチに言わせれば、選手を育てる気力がなくなってしまいます」と全面的に許さない。池谷氏は、「育ててくれた体操クラブで、これからもやっていきたいという思いもあります」とすると、

「だから、そんなこと(引き抜き)はできない。普通、人間としてできないはずなんです。人間としてですよ、これ。人間として。人の夢を打ち砕くんですから、人間としてやっちゃいけない。引き抜きって芸能界でもあるけどレベルが違う。それくらい一生懸命、生涯をかけて育ててきてる」

と断罪した。

「紙で謝るのはどうなの」

宮川選手は8月29日の会見で、千恵子氏のパワハラを告発するとともに、「暴力を理由に速見氏を排除し、自分を朝日生命に入れる目的だということが確信に変わった」と、引き抜かれそうになったことを告白した。

一方、千恵子氏と塚原光男・協会副会長(70)夫妻は同31日の声明文で、「私たちは宮川選手に関して一切勧誘を行っておりません」と引き抜きを否定。夫妻は9月2日、一転して宮川選手に「直接謝罪したい」とする謝罪文を発表したが、引き抜きの有無には触れていない。

この謝罪文について、番組では森末氏が「見た瞬間、『はあ?』という感じでしたね。今更何を急にこんな180度変わるわけですか? 炎上したことで、とりあえず何か収めようかなと出した。苦し紛れにね。そういう印象でした」と批判。さらに池谷氏は

「謝罪文を出す前に自分の言葉で記者会見開いて謝ってもらいたかったです。宮川選手があれだけの記者会見を開いて発言してくれたのだから、それに対して紙で謝るのはどうなの? というのが第一印象ですね」

と落胆するように話していた。

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