8月4日、東京・千代田区の日本記者クラブで「ジャニーズ性加害問題当事者の会」の会見が行われた。
会場には「ジャニーズ性加害問題当事者の会」代表の平本淳也氏、副代表の石丸志門氏、中村一也氏、二本樹顕理氏、志賀泰伸氏、イズミ氏(仮名)、ハヤシ氏(仮名)が出席。元ジャニーズJr.らで構成される「当事者の会」だが、7名全員揃うのはこの日が初めてだったという。
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会見の直前には同じ会場で、国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会の専門家が調査報告会見を開いており、ジャニーズ事務所の性加害問題にも言及。「政府や被害者たちと関係した企業が対策を講じる気配がなかった」「謝罪であれ、金銭的な補償であれ、被害者の実効的救済を確保する必要性を物語っている」「その透明性と正当性に疑問が残る」などと苦言を呈していた。
7人は国連の会見をモニターで見ていたそうで、代表の平本氏は涙を浮かべていたという。
平本氏は国連作業部会の会見について、「僕たちのメッセージがストレートに伝わった」「あそこまで語ってくれるとは思わなかったので、逆にビックリした状態」「真摯に受け止めてくれたことで、僕たちに勇気をくれた」と感想を述べている。
副代表の石丸氏は「国連作業部会に(性加害が)『あったもの』として認定されたと思います」「この問題はすでに『疑惑』ではない、現実に起こったもの」とコメント。さらに、ジャニーズ事務所の性加害問題を〝人類史上最悪の性虐待事件〟と非難した。
「所属タレントが事務所の代弁者になっていることに違和感」
続いて中村氏は、「私がジャニー喜多川氏から被害を受けたのは21年前でした。そして性加害問題について判決が下されたのは、19年前です。その後も被害は続いていました」「なぜそこで食い止められなかったのか、私も先輩方もずっと悔しい思いをしてきました」「19年前、今日のように、メディアの皆さまが集まって話を聞いて下さっていたら、被害者は増えてなかったかもしれません」と気持ちを明かした。
その後の質疑応答でも、さまざまな意見が交わされた。
現役のジャニーズタレントの立場については、「非常に難しい問題」「当然、現役・OB含めてタレントに罪はありません」「さまざまな舞台で活躍する彼らがリスクを冒して茨の道を歩く必要はない」とコメント。
しかし、事務所の対応については「経営層が解決すべき問題であって、なぜ所属タレントが番組を通して事務所の代弁者になっているのかが違和感」「企業であればタレントを守ることも業務のひとつ」「誹謗中傷もとどまることを知らないので、沈静化を図ってほしい」と訴えた。
二本樹氏は、ジャニーズの「再発防止特別チーム」からのヒアリングをオンラインで受けており、平本氏と石丸氏は8月14日に調査協力としてジャニーズ事務所を訪れる予定だといu.
一連の会見を受けて、ジャニーズ事務所は同日「作業部会の見解を厳粛に受け止め、被害を申告されている方々と真摯に向き合い、丁寧に対話を続けさせていただきたい」とのコメントを発表している。
一連の問題では、ジャニー氏の性加害事件を伝えてこなかったマスコミやメディアにも責任があるとされた。日本のテレビ局や新聞社は、これでもジャニーズタレントを使い続けるつもりなのか。