「仙台国際センター」2年半休館します! 25年4月から初の全面改修 仙台市は大規模イベント主催者のつなぎ留めに全力

 東北屈指のコンベンションホール、仙台国際センター(仙台市青葉区)の会議棟が大規模改修のため、2025年4月20日から休館する。27年10月末まで約2年半に及ぶ休業の影響を減らそうと、市は周辺施設を活用した分散開催の支援に注力する。(せんだい情報部・佐藤理史)

[仙台国際センター]会議棟は地上3階、地下1階、延べ床面積約2万3000平方メートル。1000人収容の大ホール、大小11の会議室を備える。展示棟は地上2階、延べ床面積約6000平方メートル。最大2560人収容の展示室のほか、会議室が4室ある。会議棟と展示棟は渡り廊下でつながり、一体利用すれば6000人規模の催事に対応できる。

周辺施設を活用した分散開催を支援

 1991年の開館以来、数々の大きな地震で部分的に修繕を重ねてきたが、全面的な改修は初めて。市公共施設総合マネジメントプランに基づき、耐用年数を50年から80年へ延ばす長寿命化を図る。総事業費は80億7600万円を見込む。

 天井、壁、床材を張り替え、照明は発光ダイオード(LED)に変更する。1階に入る仙台多文化共生センターは、建て替え後の市役所本庁舎に移し、空いたスペースに広さ200平方メートル強の会議室を2室新設する。オンライン会議に対応する通信回線の強化、授乳室の設置で利便性も高める。

 会議棟の西側に14年完成した展示棟も、共用施設の改修に伴い27年4~10月に休館する。27年3月末まで単独で利用できるものの、収容規模は大きくダウンした状態になる。

 市が大規模展示会(MICE)を誘致する上で替えの利かない存在だ。23年に市内で開催されたコンベンションは646件で、16万5398人が現地参加した。うち国際センターは194件(30%)、7万7129人(47%)を占める。

 MICEの主催者をつなぎ留めようと、市や指定管理者「青葉山コンソーシアム」は催事の規模に応じた分散開催のモデルプランを用意する。

 検討材料として、施設利用料の比較や会場間のシャトルバス運行費用の概算を提示。分散開催時の会場費を最大200万円助成し、市地下鉄の1日乗車券を最大2000枚無料で配るなど、会場間を移動するハードルを下げる工夫に知恵を絞る。

 実際、市内での分散開催に踏み切った団体もある。第98回日本産業衛生学会は25年5月14~17日、展示棟のほか、東北大川内萩ホール、仙臺(せんだい)緑彩館、市博物館を会場に設定。4000人前後の出席を予定する。

 企画運営委員長を務める東北大環境・安全推進センターの黒沢一教授(63)は、22年夏から会場の選定を始めた。「半分しか使えないと聞いた時、仙台開催は無理と思った」と明かす。

 一度は札幌市に決まりかけたが、仙台市の担当者らの熱意に押された。「雨が降る心配はあるが、各会場は徒歩圏内にある。新緑が美しい仙台城跡周辺を歩いて、楽しんでもらえたらいい」と前向きに捉える。

 市誘客戦略推進課は「長寿命化対策は必須だが、会議の持ち回り開催からひとたび外れると、戻すのが大変なのも事実。休館中もできるだけ開催してもらえるよう努める」と説明する。

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