「仙台昔話」好評 71歳女性が語り部

地域のお年寄りが集う仙台市宮城野区の介護予防教室「東仙楽々(らら)クラブ」で、メンバーの熊坂郁子さん(71)=宮城野区=の語る「仙台昔話」が好評 だ。15本以上あるという持ちネタは、半世紀以上前に祖母から教わったという。熊坂さんは「元気なうちにたくさん話し、後世に残したい」と話す。

◎伊達62万石拝領、「いやすこ」「ずんだ」の由来…/「冊子より口承で」

「家康は『これは政宗にしてやられたなあ』と大笑いして、もう一度『伊達家62万石』と言い直したんだと。それでめでたしめでたし」
宮城野区の東仙台コミュニティーセンターに2日、熊坂さんの軽妙な語りが響いた。教室に参加した約30人から笑いが漏れる。
この日は伊達政宗の拝領に関する「伊達62万石」を披露した。徳川家康が伝えた「伊達家30万石」に伊達政宗が聞こえないふりで応じ、ついに62万石をせしめたというエピソードだ。
ほかにも食い意地が張っている人を仙台弁で「いやすこ」と呼び習わす訳、仙台名物「ずんだ」の名称の由来、宮城野区鶴ケ谷に外国人墓地が建てられたいわれなどを昔語りで紹介する。
逸話の数々は中学生時代に祖母の半沢マツさんから教わった。「あなたが年を取るころには、仙台の昔話を知る人はいなくなる。その時に話してあげなさい」と語った祖母の教え通り、2014年から年に1、2回のペースで語りの場を設けてきた。
「どの話も私にしかできない。冊子にまとめるのもいいけど、口承で残すのが一番」と熊坂さん。「また聞きたいと思ってもらえるよう、まずは話術を磨きたい」と意気込む。
連絡先は東仙楽々クラブ022(291)8519。

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