「佐野氏エンブレム」紙袋、1枚91円が十数万円に高騰か!?

五輪エンブレム白紙撤回で、関連グッズが“お宝”化!? デザイナーの佐野研二郎氏(43)が制作した2020年東 京五輪の公式エンブレムが使用中止になった問題で、東京都は3日、すでに納品済みの佐野氏のエンブレム入り紙袋4000枚を一般に販売、配布しないことを 明らかにした。都庁には「紙袋がほしい」などの問い合わせが相次いでおり、インターネットに詳しい識者は「もし一般に出回れば、1枚91円の紙袋が十数万 円になる可能性がある」と指摘した。

“佐野エンブレム”が白紙撤回された1日以降、都庁に「紙袋を売ってほしい」「なぜ、配ってくれないのか」といった問い合わせが相次いでいる。担当職員は対応に追われ、「こんなに、反響があるとは思いませんでした」と苦笑いした。

この日までに、都庁でもエンブレムがしるされたポスター、パネルなどが次々と撤去された。日本中からエンブレムが消えていく中で、都庁の「紙袋」4000枚だけが生き残った。

エンブレム関連のPR告知物などで都が被った損害額は上限約1億円に上り、舛添要一都知事(66)は2日、すでに完成した紙袋や職員の名刺などの実用品に ついては「もったいないから、そのまま使う」と宣言した。それを受け、担当局は「紙袋は一般に販売、配布はしない」という方針を固めた。職員に配り、書類 を入れて持ち運ぶなど業務用として使うことを検討している。

紙袋に関する問い合わせはこの日も複数件あった。職員によると、コレクターと名乗る男性は「どれだけ払えば売ってくれるんだ」と強く要望していたという。

都によると、紙袋4000枚の予定支出額は36万7200円。つまり、1袋は91・8円。ITジャーナリストの井上トシユキ氏は、「たった90円の紙袋が 世に出回り、ネットオークションにかけられたら数万円から十数万円に高騰する可能性がある」と100倍以上にも値が跳ね上がることもあり得ると指摘した。

井上氏によると、印刷ミスなど“瑕疵(かし)”があったものは数が少なく、二度と手に入らない可能性が高いため、意外にもオークションで値段が高騰する ケースが多いという。「さらに五輪関連グッズということで、スーパーレアもの。コレクターの注目度は高い。うまくいけば、転売して、もうけることもでき る」

すでに新エンブレム選定に動き出しているが、佐野氏が残した“珍品”は今後も熱い視線が注がれそうだ。(江畑 康二郎)

◆いわくつきグッズの人気沸騰例

▼週刊朝日 12年12月、作家・佐野眞一氏が執筆した橋下徹大阪市長の連載が差別的だとして批判を浴びた。記事を取り消したが各地の書店で完売。ネットオークションで数千円で取引された。

▼美味しんぼ 14年5月、ビッグコミックスピリッツで連載していた「福島の真実」の表現が過剰などと批判されるも各地で完売。単行本化の際は一部表現を修正した。ネットオークションでは、2000円程度で取引されている。

▼ペヤング 14年12月、虫混入問題で発売元のまるか食品は自主回収と販売休止を決定。オークションでは定価の2~3倍がつく人気となった。

 

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