現代の働く若者は「モーレツ社員」「企業戦士」という言葉を知らない――電通総研は8月13日、働く若者の就労への意識を調べた「若者×働く」調査の結果 を発表した。「企業戦士」や「モーレツ社員」という言葉はを知っていた若者は2~3割にとどまっていたほか、「できれば働きたくない」と思っている若者は 3割に上った。
週に3日以上働いている18~29歳の男女3000人と30~49歳の男女2400人について、3月20日~23日にかけ、インターネットで調査し、その結果を比較した。
18~29歳の就労形態は正社員・正規職員63.6%、契約社員、派遣社員、パート・アルバイトなどの非正規雇用が32.1%、自営業主が4.1%。非 正規雇用の割合は男性が22.8%に対し女性が42.6%と男女差が大きく、女性は18~49歳のどの年齢層でも4割以上が非正規雇用だった。
18~29歳の働く上での不満は「給料やボーナスが低い」(50.4%)、「有給休暇が取りづらい」(23.8%)、「仕事がマンネリ化している」 (17.6%)が上位。働く目的は「安定した収入のため」(69.3%)、「趣味や遊びに使うお金を稼ぐため」(36.5%)、「将来(就労期間中)の生 活資金のため」(30.5%)といった項目が上位に並んだ。
働くことへの意識については、18~29歳の約4割が「働くのは当たり前だと思う」(39.1%)と答えた一方、「できれば働きたくない」 (28.7%)も約3割に上った。仕事に対する価値観でも「仕事はお金のためと割り切りたい」(40.4%)など消極的なマインドが見えた。また、「でき るだけ安定した会社で働きたい」(37.1%)という意識が強い一方で、「1つの企業でずっと働いていたいと思う」人は17.3%にとどまった。
働き方に関連した言葉について、「企業戦士」の認知率は、40~49歳が53.6%だったのに対して18~29歳は31.2%。「モーレツ社員」は 40~49歳の54.4%に対して18~29歳は21.7%と年代により大きな差があった。電通総研は、こうした言葉は「高度成長期に仕事に熱中する、企 業のために粉骨砕身で働くサラリーマンの像を表した言葉」と指摘している。