「元気だ状」が人気 被災地発、感謝のはがき

こちらは元気だぞう-。仙台市若林区の今野印刷(橋浦隆一社長)が、大阪の印刷会社と協力し、東日本大震災の被災者に使ってもらおうと特製のはがきを作っている。その名も「元気だ状」。学生らの協力で集まった企業協賛で無料のはがきも用意。昨年11月のスタート以来、全国から注文が寄せられている。
 はがきは、温かみのあるイラストと「絆」「元気」といったメッセージ入りで50種ある。デザイナーや書道家に無償でデザインしてもらった。
 1セット5枚入り。官製はがき(500円)と切手なしの私製はがき(400円)があり、被災者の場合、私製は無料。官製、私製とも送料、代引き手数料合わせて630円掛かる。
 震災後の昨年6月、インターネットで印刷専門サイトを運営する、にっこう社(大阪市)と、同社でインターンシップ(就業体験)中の学生が仙台を訪れ、今野印刷に「印刷業として何か支援できないか」と持ちかけたのがきっかけ。
 橋浦社長は「支援への感謝などを伝えたいという被災地ニーズはあるはず」と、はがきのアイデアを提案。ともに年賀状印刷を手掛けることから、すぐに話がまとまった。
 年賀状シーズンに合わせて11月に販売を開始。インターンシップに参加した学生らが「元気だ状」のプロジェクトの関西学生部を結成し、協賛金集めに奔走。宮城県内にできた東北学生部が沿岸部の仮設住宅などを回って利用を呼び掛けた結果、これまでに1700件を超える注文があった。
 「関西などに避難している被災者をはじめ、晴れがましい年賀状を控えていた人からも喜ばれたようだ」と橋浦社長。震災から1年となる3月11日を控え、販売を継続している。「お世話になった人に消息を伝える手段として、息の長い活動にしたい」と話す。連絡先はフリーダイヤル(0120)057060。

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