長年手付かずで、雑草が伸び放題だった仙台市太白区八木山本町の緑地が、地域住民の憩いの場「八木山テラス」に生まれ変わろうとしている。住民有志の提案を基に、地域の若者らの力を借り、2年がかりで整備を進めている。
用地は八木山地区一帯に広がる市有林「金剛沢緑地」の一部で、広さは約5000平方メートル。地元の金剛沢緑地愛護協力会の会員が中心となり、7月から一帯の草を刈るなどしてきた。
10月24日には現地で同会会員や周辺住民、東北工業大の学生ら約30人が集まり、休憩スペースとなる「竹ちぐら」やベンチの製作に汗を流した。
竹ちぐらは主に休憩場所としての利用を見込む。県内の放置竹林などから刈り取った竹を割り、ドーム状に組み立てて作る。住民らはこの日、竹をひもで結ぶなどして半日かけて3基を造った。
「世代や職業を超え、さまざまな人が関わり合える場にしたい」。八木山地区の住民で、テラスの整備を提案した金剛沢緑地愛護協力会の副会長、井上則雄さん(73)が語る。
同会は、市地下鉄東西線の開通計画に伴い、2006年に設立された八木山地区まちづくり研究会が前身。関係者によると、活用されていなかった緑地に広場を整備する案はかねて挙がっていたものの、方向性がまとまらずにいたという。
知人に頼まれ、話し合いに参加した井上さんが中心となり、20年4月に協力会を設立。7月に太白区協働まちづくり事業の助成金約30万円の交付が決まり、約40人の会員が中心となり、用地の環境を整えてきた。
21年度まで整備を続け、竹ちぐらを増やしたり、ウッドデッキを設置したりする予定。井上さんは「地域活性化のプラットフォーム(基盤)になることを期待している」と話す。