新型コロナウイルス感染症拡大に伴いマスク需要が高まる中、山形県の自動販売機で「冷やしマスク」の販売が始まった。
マスクは布製で、保冷剤を差し込むポケットを備える。保冷剤四つとの1セット1300円で、県内2カ所の自販機と通販で販売されている。
冷やしマスクは山形県内の縫製業者4社が製造している。考案したニット製造「ニットワイズ」(山形県山辺町)の後藤克幸常務(53)は、「コロナはもちろん、熱中症対策にも役立つのでは」と期待する。
展示会などの中止でニット製品の売り上げが減少した同社は、3月から自販機で一般的なマスクの発売を開始。飲料用自販機を使ったためマスクが冷えていたことから、4月下旬に「冷やしマスクはじめました」というのぼりを掲げたところ、売れ行きが伸びた。これを契機に、持続して冷えるマスクの開発を思い立ち、試行錯誤を重ねて完成に至ったという。
後藤常務は「マスクの選択肢を増やすことで、少しでも世の役に立てればうれしい」と話している。