あなたは、「最近の若手社員はみんな草食系」だと思っていませんか? もしそう思い込んでいるとしたら大間違いです。実はこのところ、意欲的で社交的、さらに消費意欲が高い若手社員が続々と現れはじめています。しかしどうやらこれは、景気が回復してきたことが原因ではないようです。その理由は、別のところにありました。
「イマドキの若い奴は……」といった世代論はいつの時代にもあり、ついつい彼らを一括りに考えがちです。ただし、本当にそれでいいのでしょうか? 今回は、大きな変化が起き始めているイマドキの若手社員の性格に注目してみましょう。新しい時代の流れがみえてくるかもしれません。
■バブル世代は親近感、氷河期世代は苦手両者で異なるイマドキの若手社員への評価
会社の休憩室で缶コーヒーを飲みながら談笑する2人。たわいない近況を話した後、話題に上ったのが今年入社してきた新入社員についてでした。
「ゆとり世代は控えめと聞いていたけど、最近は違っている奴もいるようだな」
このように話している2人というのが、広告代理店に勤務しているFさんと同僚のDさん(ともに35歳)。ちなみの2人は団塊ジュニア後期に生まれた世代です。「失われた20年」に翻弄され、就職氷河期の被害をもっとも受けたことから、
・自分らしさにこだわり
・マイペース
・何事においても慎重に考える
傾向があると言われています。そんな会話をしていると、上司のTさん(48歳)が登場。Tさんはバブル世代なのですが、この会話を受けて、
「不思議と最近の新入社員の子たちには親近感が沸くんだよね。どうしてだろう。君たちはどうだろうか?」
と2人に問いかけました。ただ、彼らの答えは「親近感など沸かない」「発言に過剰な演出がある」「媚びているようで苦手」というキツイものばかりでした。どうやら、その新入社員は一癖あるのでしょう。
上司が「新規感が沸く」と発言したことと2人の新入社員に対する印象には、大きなギャップがあったため、思わず重苦しい雰囲気になりかけました。とはいえ、たわいない会話なので、最後は「人に対する印象って違うものだね」というTさんのコメントでこの話題は打ち切られて、別の話題へと移って行きました。
しかし、Tさんは心の底で、
「どうして、あんな元気な新入社員に対して厳しい評価をするのだろうか? この2人の方が覇気もなくて共感できないんだよね」
と思っている様子。そこまでお互いの評価にズレがでてしまったのは、どうしてでしょうか?