社員の副業を認める大手企業が増えている。ユニ・チャームは3日、入社4年目以上の正社員を対象に1日付で制度を導入したと発表。新生銀行も大手銀行で初めて解禁した。情報漏洩(ろうえい)や長時間労働につながるとして慎重姿勢が目立っていたが、柔軟な働き方を認めれば優秀な人材の獲得や流出防止につながるため、企業は一定の条件を付けて容認する方向へかじを切りつつある。
ユニ・チャームの新制度は正社員約1500人が対象。個人の技能向上や成長につながる内容が条件で、就業時間外や休日に限り認める。事前に届け出書と誓約書を直属の上司などに提出する必要があるほか、健康維持のため午前0時以降の勤務は禁じた。同社は社員が職場と異なる環境に身を置くことで、「新たな専門性を身につけたり、人脈を広げたりすることを期待したい」と話す。
副業は、新生銀も嘱託を含む2700人の行員を対象に制度を導入。外部の知見や経験を身に付けたいとの要望に応じた。昨年12月から導入し、「会社にイノベーション(革新)をもたらす」ことを条件にしているコニカミノルタでは、3月末までに11人が認められた。このほか、カゴメも平成31年に導入する予定だ。
これまで就業規則に副業禁止を明記していない企業はあったが、制度を設けているのはヤフーなど少数にとどまっていた。ただ、社員側にも収入が増えるといったメリットがあるほか、政府も働き方改革の一環として副業を推進しており、今後も解禁の動きが続きそうだ。