学校法人東北学院(仙台市青葉区)は9日の理事会で、学院大医学部の新設に向け財団法人厚生会仙台厚生病院(同)と正式に協議することを決定し、同日中に厚生病院に申し入れた。厚生病院はこれを了承し、財政面など条件のすり合わせを急ぐことを学院側と申し合わせた。
理事会には、委任状提出を含め21人の理事全員が出席した。学院大によると、理事の大半が厚生病院と協議を進める方針に賛同した。
同日夕には平河内健治理事長と学院大の松本宣郎学長が厚生病院を訪問し、目黒泰一郎理事長に医学部新設協議を申し入れた。
厚生病院は先に連携を検討していた東北福祉大(同)と3者で協議し、今月中に連携の枠組みに関して結論を出す方針。
学院大は厚生病院から連携の打診を受け、学内の検討委員会と学外の医学関係者による懇話会を昨年10月に設置。12月には厚生病院との調整窓口となる連絡協議会を設け、これまで会合を2回重ねた。
このほか、学内でも教授らとの意見交換会を2回開いた。この場では医学部新設に賛成と反対双方の意見が出たという。
理事会決定を受け、学院大の担当者は「新設に向けて一歩前進した。さらに具体的に話を詰めたい」と語った。
文部科学省は震災復興を目的に、特例として東北地方で大学1校への医学部新設を容認した。ことし10月ごろまでに対象校を正式決定し、15年春開学を目指す。
医学部新設には、東北薬科大(同)も名乗りを挙げている。