台湾国家発展委員会の劉鏡清・主任委員(大臣に相当)が来日し、17日に東京都内の日本記者クラブで会見を開いた。劉氏は「台湾の半導体サプライチェーン(供給網)が日本に進出するのを支援する計画を年内につくる」と語り、半導体の受託生産の世界最大手「台湾積体電路製造」(TSMC)が進出した熊本県などへの投資を増やすと明らかにした。
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同委員会は、台湾の経済政策を立案する行政機関。劉氏は、50社近くの台湾のスタートアップ企業を日本の投資家や経済界などとマッチングさせる「日本・台湾イノベーションサミット」(17~18日)に参加するため来日した。人工知能(AI)やデジタルサービスなどでの協力を目指す。
2010年には約80%あった台湾の対外投資に占める中国大陸の割合が2023年には11%まで急減したことについて、劉氏は「中国経済の不安定さが原因で、多くの台湾企業が中国大陸から撤退して東南アジアに進出し、台湾にも戻っている」と指摘。台湾に戻った資本額は2・3兆台湾ドル(約10・1兆円)にのぼったという。