「半沢直樹」世代の流行、“倍返し”で再燃 バブル期ファッションがパーツパーツで

カーディガンを肩に掛けるスタイルがブレーク中だ。街でもかなりの確率で遭遇する。ちまたでは「プロデューサー巻き」と読んでいるそうで、カーディガンの肩掛けはバブル期に流行していた巻き方。“業界人っぽい”印象があるところから、いつのまにかこういう呼び方になっているようだ。折しも、堺雅人主演のバブル期入行の銀行マンのドラマ「半沢直樹」(TBS・MBS系)が絶好調。バブル期ファッションは〝倍返し〟で復活するのか?
丸ごとは、さすがにダサイ?
 ファッションは繰り返すというが、なぜかバブル期のファッションだけはリバイバルされなかった。ボディーコンシャスのワンピース、大きな肩パッド、ショッキングピンクの口紅…。男性ならば、だぶだぶのダブルボタンのスーツにセカンドバッグ…などなど、どれも古くさいイメージだ。
 確かに丸ごと取り入れるとダサイのは否めない。しかし、パーツパーツで今シーズン復活しているのだから面白い。その1つがカーディガンの肩掛け。トレンディードラマ(死語?)の常連だった石田純一が当時よくしていたスタイルでもあるので「純一巻き」ともいうそうだ。
 「キャンパスでもよく見かけますよ。2人連れ立ってカーディガン巻いて歩いてると双子みたい」。そう話す関西在住の大学生もカーディガンを肩からかけている。大阪市内のアパレルショップ販売員も「コーディネートのアクセントにもなるし、冷房対策にもなります。ストールに替わるアイテムとして人気です」という。
セカンドバッグ、ボディコンも
 また、バブル期に流行したアイテムにセカンドバッグがある。今は「クラッチバッグ」と名を変えて流行中だ。当時のセカンドバッグよりマチも薄く、スマートなイメージ。カーディガン掛け同様、男性女性問わずに人気だ。
 続いて、ロゴトレーナー(スェット)。ブランド名がでかでかと入ったトレーナーもしばらくなりを潜めていたが、「KENZO」のタイガーロゴスウェットの世界的な大ヒットで、他ブランドからもぞくぞくと登場。今秋も人気は続きそうだ。
ボディコンも同様で、ピタピタのスカートは「ペンシルスカート(鉛筆みたいに細いスカートの意)」と呼ばれて今秋の人気アイテム。バブル期のように上下ともピタピタではなく、トップスにボリュームを持たせてコーディネートするのがよい。ロゴ入りスウェットなんかも相性よさそう。靴もピンヒールではなく、スニーカーやマニッシュなブーツで外すといいかも。
 メークにも変化が。「ベージュの口紅にグロス」が定番化していたが、昨年ごろから色が戻ってきている。特に今シーズンはショッキングピンクや真っ赤な口紅が復活しており、ここにもバブルの匂いを感じさせられた。
見直される「ギラギラガツガツ」
 バブル時代というと、あまりいいイメージはなく、むしろ、バブルを謳歌してきた世代を揶揄するような雰囲気すらあった。ギラギラガツガツは嫌悪され、「自然体」が一番といった風潮が続いていた。ところが、最近少し流れが変わってきたように思う。
 池井戸潤著の「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」をベースにした人気ドラマ「半沢直樹」(TBS系)も絶好調。堺演じるバブル入行の型破り銀行マンの決め台詞「やられたらやり返す。倍返しだ!」にスカッとする人が増殖している。かくいう私も。4日放送の第4話の平均視聴率は27.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で、瞬間最高視聴率は30%。
また、今年4月に刊行された林真理子著「野心のすすめ」も現在30万部超のベストセラーだ。内容もさることながら、野心満々の目をした若き日の著者の写真がインパクト大。今、こんな強い目をした若者が少ないのだとつくづく思う。
 “ユル~い”生活に慣れきってしまったらいけない…。そんな流れが、バブル期のファッション再燃やドラマや書籍の好調ぶりに表れているのかな…などと思いつつ、心身ともにユルんでいる自分を猛省した。

タイトルとURLをコピーしました