「収入-生活費」ランキング上位は?

先日、厚生労働省は2011年「賃金構造基本統計調査」の結果を発表した。労働者の給与やボーナスの金額を集計したもので、都道府県別の内訳も公開されている。残業代などを除いた給与額が最も多いのは東京(月37万2900円)で、これは20年連続トップ。次いで、神奈川(32万9800円)、大阪(31万5600円)、愛知(30万8900円)、京都(30万8300円)となっている。ボーナスや残業代を含めた「年収」でも上位5都府県の顔ぶれは変わらず。東京は595万7000円と断トツで、以下、神奈川(530万1200円)、愛知(509万1500円)、大阪(503万8800円)、京都(499万2300円)と続く。
一方、最下位になった沖縄は年収323万1600円で、東京との間には272万5400円もの開きが。地域によってかなり賃金差があることが分かるが、東京と沖縄では家賃や物価も大きく違うため、一概に東京都民のほうが豊かであるとはいえない。実際、東京都区部で暮らす世帯の消費支出平均が月28万4030円なのに対し、那覇市は19万9638円と8万円以上安上がりだ(総務省2010年「家計調査」より)。
全国の主要都市の生活費を安い順に並べると、沖縄県・那覇市(19万9638円)、鳥取県・鳥取市(20万2568円)、和歌山県・和歌山市(23万3767円)、大阪府・堺市(20万3854円)、大阪府・大阪市(21万873円)となる。意外にも給与額全国第3位の大阪府の都市が2市も上位にランクインしていた。単純に考えれば、高収入かつ支出も少ない大阪府民は金銭的にかなり余裕をもって生活していることになる。
しかし、大阪の物価が特別安いのかといえばそうでもない。総務省の「全国物価統計調査」によれば、売場面積1000平方メートル以上のスーパーで「豚肉・もも肉」は通常価格179円(全国平均174円)、「食パン」は通常価格110円(全国平均108円)、「牛乳」は通常価格184円(全国平均151円)となっていて、いずれも全国平均を上回っている。大阪の生活費が安いのは、倹約家が多い県民性によるところが大きいのかもしれない。
ちなみに、「年収」と年間の生活費(※上記の消費支出×12カ月として算出)の差額が大きい都市を単純計算してみると、ベスト5は「東京都区部(254万8640円)」「大阪市(250万8324円)」「横浜市(216万6152円)」「神戸市(213万760円)」「名古屋市(208万3016円)」となった。もちろんこれはひとつの参考データに過ぎないが、やはり大都市の方が金銭的には余裕があるようだ。
(榎並紀行)

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