「告発内容、事実か言い切れない」ジャニーズ事務所社長の見解概要

ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長による、ジャニー喜多川前社長の性加害を巡る見解と対応(質問・回答形式)の概要は以下の通り。

--なぜ、すぐに会見を行わなかったのか

デリケートな問題なので、専門家の協力を得ながら、慎重に具体的対応策などの協議を進めていた。時間が経過してから公表することとなり、対応が遅れたことを謝罪する。

--BBCの番組報道、またカウアン・オカモトさんの告発は事実か

問題がなかったとは一切思っていない。一方、ジャニー喜多川前社長に確認できないことから、個別の告発内容について「事実」と認める、認めないと一言で言い切ることは容易ではないうえ、誹謗中傷の二次被害にも慎重に配慮しなければならない。とはいえ、被害にあったと言われる方々がいらっしゃることを非常に重く受け止めている。

--ジャニー喜多川前社長の性加害を事務所、またジュリー社長は知らなかったのか

週刊文春から取材のあった平成11年の時点で、私(藤島ジュリー社長)は取締役だったが、長らくジャニーズ事務所はジャニー喜多川前社長がタレントのプロデュース、メリー喜多川名誉会長(令和3年死去)が会社運営の全権を握っており、他の取締役は任された役割以外に関わる発言はできなかった。重要な情報は2人以外には知ることができない状態が恒常化していた。創業からジャニーとメリーの2人体制=ジャニーズ事務所だったので、この状況が異常であることに違和感をもてなかった。深く後悔している。

--平成15年の週刊文春との高裁判決で敗訴しているが、その時点でもまだ、性加害の事実を認めなかったのか、何も対策をしなかったのか

詳細について一切共有されていなかったので、あくまで推測だが、メリー名誉会長が、前社長の問題行為について信じられなかったため、自ら民事裁判で訴えたと思っている。

裁判では一部敗訴、名誉毀損(きそん)とまではいえないと判断されたが、前社長が自らの加害を強く否定していたこともあり、メリー名誉会長らから、前社長へ厳重注意をするにとどまったようだ。私としては取締役として積極的に責務を果たせなかった点について、大きな落ち度があったと考えている。

--再発防止策について

再発防止策を講じるにあたり、弁護士や有識者からの意見を取り入れている。大前提として私が代表に就任して以降、コンプライアンスの強化を進め、「ホットライン(匿名相談窓口)の設置」、未成年に対する「保護者同伴の説明会」や、コンプライアンス教育を実施している。今回の件を受けては、外部からの協力も得て「コンプライアンス委員会」を設置しており、これまで以上に取り組みを強化する。さらに社外取締役を迎え入れ、経営体制を抜本的に見直す予定で、現在人選、依頼を進めている。

--なぜ、第三者委員会を設置して徹底調査をしないのか

第三者委員会の設置について検討はしたが、ヒアリングを望まない方々も対象となる可能性が大きいこともあり、別の方法を選択することになった。外部のカウンセラーや弁護士などの指導のもと、相談を受ける外部窓口を月内に設置する。

--被害を訴えてきた方について、どのように向き合う予定か

カウンセラーら専門家の力を借りて、誠実に向き合っていく。

--自身の経営責任について

当時の私は、取締役といいながらも名ばかりで職責を果たしていなかった。今すべきは、被害を訴えてこられた方々に向き合うこと、二度と同様の問題が起こらないよう、すでに着手し始めている経営改革、社内意識の抜本的改善をやり抜くことだと考えている。

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