「亘理町荒浜にぎわい回廊商店街」が15日、同町の荒浜漁港近くにグランドオープンした。立地場所は災害危険区域内で、東日本大震災で被災した小売りなど8店が入り再建を果たした。アーケードが設けられた通りは観光客らであふれた。
商店街は敷地約8500平方メートルで、8店は水産関係や居酒屋、総菜店、自転車店など。中央の通りは長さ37メートル、幅13メートルでアルミ製のアーケードを設置した。事業費約2億2000万円は国のグループ化補助金などを活用した。
町、県、地元関係者らによるテープカットに続き、荒浜漁港などで水揚げされたカレイの焼き物、全長2メートルのオヒョウのフライを各1000食振る舞った。オヒョウやマグロの解体ショーもあった。
来場者は新鮮な魚を味わいながら買い物を楽しんだ。仙台市宮城野区の会社員成田伊玖さん(22)は「カレイは味が濃くておいしい。大きなアーケードは印象的で、また訪れて総菜店のコロッケを食べたい」と話した。
小売店は震災で激減したため、地元住民も商店街を待ち望んでいた。被災した自宅を1年前に再建した主婦(70)は「これまでは内陸のスーパーまで足を運ばなければならず不便だった。歩いて来られるので助かる」と喜んだ。
アーケードは今後、イベント会場として開放し、他の観光施設とにぎわい再生の相乗効果を図る。商店街管理組合の残間祥夫理事長は「各店が結束して活性化を担えるよう、親しまれる商店街を目指す」と意気込んだ。