「喜劇映画で世の中明るく」 東北出身の学生らCF募る 青森で来春撮影

 新型コロナウイルス禍に覆われる世の中を明るくしようと、東北出身の学生らのグループが長編喜劇映画の制作を進めている。メンバーの一人が高校時代を過ごした青森県三戸町をロケ地に選び、町の協力も得て来年3月に撮影をスタートさせる。クラウドファンディング(CF)のサイト「モーションギャラリー」で来年1月末まで、制作資金を募っている。

 映画のタイトルは「日本一の晴れ男」。太平楽で能天気な大学生晴渡(はれわたる)は長雨を憂う教授に接触、晴れ男だとうそをついて信頼を得る。しかし、このうそが次第に思わぬ方向に進み…という筋書き。制作するのは映画制作団体「黎地(れいち)フィルム」で、メンバー15人のうち5人が青森、岩手両県の出身者だ。

 メンバーは、1960年代に人気を博したコミックバンド「ハナ肇とクレージーキャッツ」が出演し、高度経済成長期の日本に笑いと元気を与えた喜劇シリーズ「クレージー映画」の大ファン。自分たちなりのクレージー映画を制作し、コロナ禍からの復興を目指す国内を明るくしたいと考えた。撮影スタッフだけでなく、俳優としてカメラの前にも立つ。

 撮影の一部は東京都内で行われるが、感染防止対策の面からロケは難しいと判断。団体副代表の元専門学校生石橋宙大(みちひろ)さん(20)=青森県南部町=が地方の活性化につなげたいと考え、三戸町での撮影を思い付いた。

 石橋さんは高校の同級生を通し、同級生の父親で高校の先輩でもある松尾和彦町長と交渉。町から協力を取り付けた。10月には他のメンバーと町内でロケハンを実施し、城山公園などを撮影地に選定。町内の商店街では大掛かりな撮影計画も練っている。

 石橋さんは「昭和の平均(たいらひとし)(クレージーキャッツのメンバーの故植木等さんが演じた)の向こうを張って、令和の晴渡を描きたい。日本を元気にする映画を学生でも発信できるのだということを、地方からアピールしたい」と意気込む。

 映画は来年8月、動画投稿サイトのユーチューブで公開する。CFの目標は100万円で、サイトはhttps://motion-gallery.net/projects/HareOtoko

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