宮城県議会は地酒での乾杯を推進する条例制定に向け、本格的な検討を始めた。人口減少に伴い、酒類の国内市場が縮小する中、特産の日本酒をはじめ、ウイスキー、地ビール、ワインなど県産酒の振興を通じ、消費の喚起を図る。9月定例会での条例成立を目指す。
県議会全会派の9人で構成する検討会が15日に設立した。他県の条例や関係団体の意見を参考にしながら5月中に条例骨子案をまとめる。パブリックコメント(意見公募)などを経て、8月には条例案を決定する見通し。
日本酒の全国新酒鑑評会で金賞受賞率が全国トップに輝くなど、県内蔵元の酒造りの技術は高い。ウイスキーの蒸留所やワインの醸造所もある。今年10月に消費税率引き上げを控えて消費量の落ち込みも懸念されることから、自民会派が条例制定を主導した。
検討会の座長に就いた中島源陽議員(自民党・県民会議)は「宮城は多彩な酒文化を持ち、食材が豊富な地域でもある。地酒と食材をうまく組み合わせ、地域を元気にするような条例を作りたい」と話した。
県議会事務局によると、山形と秋田を含む全国11県が「乾杯条例」を制定している。