世界のバッテリー市場でシェア1位の中国CATLの曽毓群会長が最近電気自動車で火災が急増していることについて「安全基準を高めなければならない」と主張した。
世界各地で電気自動車火災が頻繁に発生している中で中国製バッテリーに対する市場の信頼が揺らぐことに対する懸念が込められた発言との見方が出ている。
曽会長は1日に中国四川省宜賓で開かれた「2024世界バッテリーカンファレンス」の基調演説で、「新エネルギー車両の安全事故が頻発している。昨年中国で発生した新エネルギー車の火災発生率は1万台当たり0.96台」と話した。続けて「安全問題を解決できなければ壊滅的な結果になるだろう」と警告した。電気自動車火災発生率を中国内の電気自動車保有台数2500万台に適用すれば年間に発生した電気自動車火災だけで2400件に達する。
曽会長はこれまでベールに包まれていた中国の電気自動車の安全問題も認めた。彼は「市場に出たバッテリーの多くは安全係数が大きく不足する。多くの製品が故障率を100万分の1であるppmクラスだと主張するが、実際には1000分の1」と明らかにした。続けて「全国2500万台の新エネルギー車に搭載されたバッテリー数十億個にこうした故障率を当てはめれば安全危険性を想像できるだろう」と懸念する。
曽会長はまた、増加する火災事故に対応してバッテリー安全規定を強化しなければならないと促した。彼は「(バッテリー)業界が競争は棚上げし消費者の直接的な利益、特にすべての安全を最優先に置いてともに安全標準を高めて絶対的な安全標準のレッドライン(限界線)を作らなければならない」とした。
バッテリーリサーチ会社SNEリサーチによると、上半期の電気自動車バッテリー設置量基準でCATLは37.8%のシェアで世界1位だ。2位のBYDの15.8%の2倍以上だ。
中国中央テレビによると、中国の電気自動車火災は6~8月に発生率が高かった。また、外部で火炎を発見してから運転席まで広がるのにかかった時間は平均64秒にすぎなかった。
中国当局は最小5分の避難時間を確保するよう義務化する安全基準を5月に出した。新し基準は来月から適用されると予想される。