大阪市を廃止して4特別区を新設する「大阪都構想」が実現した場合、2特別区の名称が「北区」と「中央区」となることについて、東京都の北区と中央区が「混同される恐れがある」として、大阪府・市に名称の再考を求めていることが分かった。
両区の要請に法的拘束力はなく、大阪側からは反発が出ている。
都構想は、大阪市を「北」「中央」「淀川」「天王寺」の4特別区に分割する都市再編策。11月に予定される市民対象の住民投票で賛成多数となると、実現する。その場合、東京、大阪に「北区」「中央区」という自治体が混在する事態となる。
大阪府・市の照会に対し、東京都の北区と中央区は再考を求める文書を送付。北区は「基礎自治体としての北区は東京だけにしかない」とし、中央区も「70年間、中央区としてやってきて、銀座などのブランドが築かれてきた。避けてほしい」としている。
1970年の旧自治省による通知では、新しい市ができる場合の名称は、既存の市と同一または類似しないよう「十分配慮すること」としているが、同じ名称を規制する法律はない。
このため、都構想を推進する大阪維新の会の関係者は「個性的な自治体の名称ならともかく、北区、中央区は方角を表す一般的な名称だ」と主張している。