「奥松島の会」設立へ 観光復興へ一丸

東日本大震災で打撃を受けた宮城県東松島市奥松島エリアの観光を立て直そうと、同市野蒜・宮戸両地区の住民や団体が近く、「観光奥松島の会」を設立する。本格的な観光復興に向けて地元が一致団結し、奥松島への誘客を図る。
民宿や観光関連団体、市民センターなど約25の個人・団体が参加し、市の第三セクター奥松島公社が事務局を担う。震災から5年3カ月が過ぎ、被災した観光関係者の生活再建が進んだことから観光復興に本腰を入れる。
当面は、JR仙石線旧野蒜駅に整備が進む震災伝承館や、防災集団移転団地の野蒜ケ丘地区に建設中の観光物産交流センターの完成に合わせてイベントなどを開催。全国各地での誘客活動も計画している。
民宿を拠点とした宮戸地区の周遊や、野蒜地区の石切り場跡の観光地化、東名運河のクルーズ事業なども今後検討する。メンバーの奥松島観光タクシーの佐藤輝 弥社長は「従来の施策とは別の切り口で観光を盛り上げたい。アイデアを一つ一つ実現していけるかどうかが鍵だ」と話す。
市商工観光課によると、2010年度に約112万人を数えた市の観光客は震災の影響で激減。民宿数の減少や海水浴場の閉鎖が影響し、15年度は約42万人にとどまった。

タイトルとURLをコピーしました