「子育てしにくい」30代以下は55%超す 本紙・埼玉大調査

毎日新聞は10~12月、埼玉大学社会調査研究センター(松本正生シニア・コーディネーター)と共同で、時事問題に関する世論調査「日本の世論2022」を実施した。日本は子育てしやすい国だと思うか尋ねたところ、「子育てしやすい」との回答は17%にとどまり、「子育てしにくい」の44%を大幅に下回った。「どちらとも言えない」は37%だった。

写真はイメージ=ゲッティ© 毎日新聞 提供

 年代別に見ても「子育てしにくい」は全ての年代で「子育てしやすい」を上回った。特に若い年代の認識が厳しく、「子育てしやすい」が18~29歳で10%、30代で16%だったのに対し、「子育てしにくい」は18~29歳で59%、30代で55%に上った。ただ、70歳以上では「子育てしやすい」(22%)と「子育てしにくい」(30%)の差が大きく縮まっており、年代による違いが見られた。

 日本の少子化は急速に進んでいる。1971~74年の第2次ベビーブームで年間200万人を超えていた出生数は2016年には100万人を割り込み、今年の出生数は初めて80万人を割る見通しだ。調査からは、将来の見通しが立たない中、子育てや教育の負担に不安を抱く若年層の姿が浮かんだ。

 調査は全国240地点の選挙人名簿から無作為に抽出した2400人を対象に郵送法で実施。1245人から有効回答を得た。【伊藤奈々恵】

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