全国から学生が集う「学都仙台」の大学関係者らは、新型コロナウイルスの対策に追われている。授業延期などあらゆる感染防止策を講じ、会員制交流サイト(SNS)で連日注意を喚起する例も。新入生の歓迎行事で沸き立つはずの学都の春が、重苦しい空気に包まれている。
東北福祉大は授業開始を5月18日まで延期した。部活など学生の課外活動は中止とし、新入生の勧誘活動も禁止。広報課は「予定通り授業を再開できない場合も想定し、オンライン授業の準備も進める」と説明する。
学生1人の感染が1日に確認された東北学院大は、22日に予定していた授業開始を5月の大型連休明け以降とする方向で調整している。全国から医学生が集まる東北医科薬科大は、授業開始を今月20日以降とする予定。両大学ともオンライン授業の導入を検討中だ。
全国各地から大学と大学院に計約5000人が入学した東北大は、当初8日だった授業開始を20日に延期。6月中旬ごろまでオンラインで授業を行う方針だ。首都圏出身の学生も、実家にいながら授業を受けることが可能になる。
広報室は「感染防止を最優先に考えた」と強調する。同大では5日に外国籍の学生1人の新型コロナ感染が確認されており、部活やサークル活動も原則禁止としている。
東北一円から学生が集まるファッション文化専門学校DOREME(仙台市青葉区)は、授業開始を5月7日に延期。学校の公式ツイッターとインスタグラムを通じて毎日2~3回、感染防止策の動画などを全学生60人に配信している。
運営する学校法人支倉学園の菅野麻那法人本部長は「市中心部にある学校でもあり、意識を高めてもらえるよう、若者に響く方法で呼び掛ける工夫を続けたい」と話す。