10月1日(ブルームバーグ):「故人は星になりました」。元NASAの技術者が始めた会社が、遺灰を人工衛星に乗せるサービスを1990ドル(19万6000円)で日本で開始する。
「記念宇宙葬」というサービスで、遺灰の一部をカプセルへ納め、宇宙へ打ち上げる。カプセルは人工衛星に乗って地球の周回軌道に乗り、数カ月にわたり90分に一周の速さで地球を回る。家族や友人は、スマートフォンやタブレット向けの無料アプリで衛星の位置を確認できるという。元NASAの技術者トマ・シヴェ氏がサンフランシスコに今年設立したエリジウムスペースが1日、米国に続き日本でも受付を始めた。
従来型の墓地への埋葬以外の選択肢が広がる中での動きだ。生命保険文化センターによると、東京での墓地の貸し付け料と墓石代を合わせた費用は274万円。海洋自然葬を提供する「風」社によると、海への散骨は4万2000円から。
エリジウムスペースの発表資料によると、ウェブサイトで申し込むとカプセルが郵送で届き、遺灰を納めて返送する。最初の打ち上げは来年の夏を予定しているという。遺灰を乗せた人工衛星は数か月間にわたり地球を周回した後、大気圏に突入し、燃え尽きる。宇宙ごみを残さず、「環境にも優しいサービス」という。
同社によると、エリジウムとはギリシャ神話に登場する英雄のための死後の楽園の意味。
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