「寒すぎる」と客や従業員が悲鳴 スギ薬局が店舗に“暖房禁止令”を出していた

ドラッグストア「スギ薬局」が各店舗に対して“暖房禁止令”を出し、従業員から「凍えそうだ」などの悲鳴が上がっていることが「 週刊文春 」の取材でわかった。 【画像】「凍えそうだ…」「寒すぎる…」従業員や客が悲鳴を上げていたスギ薬局…「暖房禁止令」を店舗に出したスギHDで社長を務める杉浦克典氏を見る  スギ薬局は業界5指に入る大手ドラッグストアチェーンで、持株会社「スギホールディングス」(愛知県大府市)は東証プライムに上場。売上高は約6200億円(2022年2月期)、従業員数は約7300人を数え、約1500店舗を関東、東海、関西、北陸地方に展開する。  東海地方の店員Aさんが明かす。 「会社から各店舗に対して、『12月も暖房の使用を控えるように』との趣旨のお達しがありました。雪が多い地域の店も一律です。もともと冷暖房使用に厳しい社風で、春や秋は禁止ですが、今年は『節電』を理由に12月も解禁しなかったんです。夕方以降は極寒で凍えそうです」  都内の店員Bさんもこう語る。 「お客さんから『寒すぎる』と何度もクレームが来ました。しかし、上の命令には逆らえず、使い捨てカイロで耐えています」  例外的に使用が許されることもあるが、障壁があるという。東海地方のパート店員Cさんが事情を話す。 「店長から地域の責任者に『寒い』と相談すると、一時的に最低限の19度とかで許可が出ることもある。しかし店長も会社の方針との板挟みになって、上にはなかなか言えない。結局、みんなで我慢しています」

広報は暖房禁止令を認め、経緯を説明

 スギホールディングスの広報室に問うと、各店舗に「暖房を原則使用しない」との方針を通達したと認め、経緯を主にこう説明した。 「(例年は)12月からエアコンを使用することが基本ですが、(今年は)12月1日に出された政府からの節電要請を受け、11月までの対応(暖房を使わない方針)を継続した」  一方で現場の声を受け、12月16日には「臨機応変にエアコンを使用する旨」を周知したという。  労働関係の法令や指針は、事業者に職場の温度を適切に保つよう求めている。  12月27日(火)12時配信の「 週刊文春 電子版 」および12月28日(水)発売の「週刊文春」では、「スギ薬局」創業者の過去のトラブル、“暖房禁止令”を出した理由、店員たちの悲痛な声などについて報じる。

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