「対馬の森」市が購入 ヤマネコ保全で競売中止へ

絶滅危惧種である「ツシマヤマネコ」が唯一生息する長崎県対馬市の広大な森林地(260万平方メートル)が競売入札に付されていた問題で、市は29日、債権者と合意ができたとして市が土地を購入することを決めた。入札を管轄する長崎地裁厳原(いづはら)支部は30日にも債権者から取り下げ申立書が届き次第、協議の上、入札手続きを中止する。
【フォト】ツシマヤマネコ(京都市動物園で飼育中のもの)
 市は以前から購入の動きを見せていたが、金額などで折り合わず、債権者が今月26日から入札手続きにかけていた。入札期間は9月2日までで、売却基準価格は約3400万円。
 市関係者によると、市は9月の定例議会に購入案を提示する予定。29日付の本紙の報道後、市や裁判所には環境保護団体など全国から購入の申し出が相次いだ。市は以前から債権者と協議を重ねてきたが、反響の大きさなども含め購入に踏み切ったという。市は今後、環境省の対馬野生生物保護センターと連携し、ツシマヤマネコの保全に向けて森林地の活用策を探る。
 売りに出されていたのは、対馬市北東部に位置する上県町の計49筆の土地で東京ドーム55個分に相当。韓国の業者も関心を示していた。

タイトルとURLをコピーしました