「就活のマナー」悪い例は… 服装や振る舞いを意識しよう

平成27年卒業予定の学生の就職活動が本格化している。企業説明会やOB訪問などで社会人と接する機会が増えてくる頃。人材サービス大手のパソナの土田浩子さんに就職活動でのマナーについて聞いた。(油原聡子)
 土田さんは、働く意欲がありながら、就職できないまま卒業をした若者に雇用機会を提供するパソナのフレッシュキャリア社員制度を担当。ビジネスマナーなどを指導している。「『学生だから大丈夫』と思ってしまいがち。企業側からどう見られているのかをまずは意識して」と話す。就職活動は内定や入社がゴールではない。入社してからどう活躍してくれるのか、を企業側は見ている。「自分が良ければいい、ではない。まず、自分が評価される側だと理解して」と土田さん。
 同じ年代で集まっていた学生時代と違い、社会人となると、幅広い年代の人、いろいろなバックグラウンドのある人と接することになる。どんな人に会っても「誠意があって、信頼できそう」と客観的に思ってもらえるような服装や振る舞いを意識しよう。目上の人と会話をする機会も増える。「敬意を持って丁寧に話して。言葉遣いも大切ですが、しゃべり方も注意して」(土田さん)
 相手の目を見ながら、自分が話すときには口をしっかり動かす。土田さんは「最初と最後をしっかり話し、簡潔にまとめる努力をするだけで印象が違います」と話す。最初に「私は」、最後は「~です」「~ます」とするだけで丁寧な印象になる。尊敬語や謙譲語、丁寧語まで使い分けようとすると話せなくなってしまう学生もいるので、まずは丁寧にはっきり話すように心掛けよう。
 相手が話しているときには黙って聞くのではなく、表情をつけて、相づちを入れる。印象が良くないのが、(1)語尾をのばす(2)ぼそぼそとしゃべる(3)相手の目を見ない(4)姿勢が悪い-だ。
 集団面接などでは自分の話す順番が終わっても気を抜かないようにする。隣の人が話しているときにうなずくだけで、その場の雰囲気も良くなる。仕事はチームですることもある。自分が良ければいいではなく、周囲への気配りも意識すると印象も良くなる。姿勢にも注意する。「立っているときは肩の力をすっと抜き、上からつられているようなイメージで」と土田さん。友人同士で立っている姿勢や座っているところを写真に撮って、客観的にチェックするといいという。
 就職活動で求められているマナーは就職活動のためだけではない。土田さんは「大人として、社会人として必要なマナー。身分は学生ですが、社会人としての準備ができているかどうか見られていることを意識しましょう」と話している。
 就職活動で着用するリクルートスーツ。長くきれいに着るには日頃の手入れが大切だ。衣料専門店、AOKI横浜港北総本店のファッションアドバイザー、小林祐貴さん(23)は「どの年代の人から見ても好感を持たれるような服装を心掛けて」と話す。1日スーツを着ていると、ホコリやちりなどが生地の目に詰まってしまう。着用後には洋服用ブラシを使う。ブラッシングはハンガーに掛けた状態で行う。ブラシでたたいて汚れを浮かし、上から下にブラシを掛ける。
 しわが寄っていた場合には、しわ取りスプレーやアイロンのスチームでしわを取る。小林さんは「スーツはジャケットの腕の部分にしわが寄りやすいから注意を」とアドバイスする。保管するときは型崩れを防ぐため、ポケットの中身は全部出す。ハンガーもスーツの形に合ったものを使う。スーツは着用したら最低でも1日以上は休ませた方がいいという。しばらく着用する機会がなければ、防虫カバーに入れて保管する。小林さんは「着用する前日にスーツがきれいな状態か確認しておくと当日慌てなくて済みますよ」と話している。

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