「居・医・商」複合市街地に 東北大雨宮キャンパス跡地

 移転計画がある東北大雨宮キャンパス(仙台市青葉区、9.3ヘクタール)の跡地利用を検討するため、東北大と市、仙台商工会議所の三者で設置した「東北大キャンパス移転まちづくり会議」(大村虔一座長)は15日、土地の一括売却を前提として、周辺市街地と調和する一体的利用を求める報告書をまとめた。東北大は、報告書を基に一定の条件を設けた上で一般競争入札を実施、本年度中に売却する意向だ。
 報告書は、跡地のまちづくりのコンセプトを「まちなか暮らしを先導するスマートタウン」と規定。居住機能に加え、医療福祉・健康増進と商業・生活利便の機能を併せ持つ複合市街地とした。
 導入が期待される具体例として、医療モールやスポーツジム、商業施設、災害時に避難場所となる広場などを挙げた。周辺のマンション需要が好調で上杉山通小の児童数が急増していることから、住居は幅広い世代が住み継ぐことができる多様な形態を求めた。
 東北大の計画では、雨宮にある農学部と大学院農学研究科は2015年度中に新青葉山キャンパス(青葉区、82ヘクタール)に移転する。当初は10年度中だったが、地価低迷と東日本大震災を受け延期した。移転費用には雨宮の売却益も充てられる。
 まちづくり会議委員の佃良彦東北大理事は「報告書を最大限尊重し、仙台の発展に役立つ売却が実現するよう努力したい」と話した。
 跡地をめぐっては、06年に宮城県も加わった同様の検討委員会が放送局や文化ホールが核となる活用例を提言した。その後、進出が見込まれたNHK仙台放送局が青葉区本町のホテル仙台プラザ跡地取得を決め、提言は白紙に戻された。

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