政府は新型コロナウイルス対策を巡って、屋外でのマスク着用に関する見解をまとめた。人との距離が十分に確保できなくても、会話が少ない場合などは必ずしも着用の必要はないとした。後藤厚生労働相が20日にも発表する。 【図表】マスクを巡る専門家や政府関係者の発言
政府の見解では、周囲の人との距離が十分にとれる散歩や自転車での移動中は外すことは可能だという。ただ、屋外でもマスクを持ち歩き、会話の際には着用を求めている。電車やバスなど公共交通機関での通勤・通学時や、発熱など新型コロナが疑われる症状があるが、やむを得ず外出する場合は着用が必要とした。
小学校などの学校生活では、熱中症リスクが高い場合、登下校時にマスクを外すよう指導することを求めた。一方、変異株「オミクロン株」の拡大に伴って、一時的に着用を推奨している2歳以上の未就学児については、「着用を一律には求めず、無理に着用させない」とする以前の方針に戻した。
政府が見解をまとめたのは、夏に向け、屋外でのマスク着用が熱中症などのリスクを高めるためだ。政府はこれまで、屋外では人との距離が十分に確保できる場合に限って、外すことは可能との考えを示してきたが、「距離の基準がわかりにくい」などの指摘を受けていた。
政府の基本的対処方針も、どのようなケースでマスクを着用すべきかに関して詳細を記していない。
これらの見解は19日に開かれた新型コロナに関する厚労省助言機関の会合で決定された見解を踏まえた。
この日の会合では、全国の新規感染者数について「一部の地域を除き、減少傾向にあり、大型連休前の4月下旬よりやや低い水準」との見方が示された。ただ、大型連休中に人の動きが活発化した影響で感染者数が今後増える恐れがあり、注意が必要としている。