清流の中津川に面し、歴史的建造物が並ぶ盛岡市紺屋町で建設されている高層マンションは景観を害する恐れがあるとして、元市職員ら4人が今月、「盛岡の景観と歴史的建造物を考える市民の会」を設立した。事業主や市などに建設の見直しや市民アンケートの実施などを求め、市内外から賛同者を募っている。
会は5日に発足。事業主のタカラレーベン(東京)には許認可の経緯の開示と建設計画の見直しを求めるほか、市と市議会にビルの高さや意匠の制限のある地域の拡大を含む条例の制定などを要望する。
19日には市内で会議を開き、今月下旬に提出する予定の要望書の内容を精査。呼びかけ人の一人は「景観が市民の公共財産という意識を共有すべきだ」と指摘した。
紺屋町のマンションを巡っては、「岩手山ビュー」をうたいながら青森県の岩木山の画像をチラシに使用していた問題を発端に、同社の姿勢や景観への影響を危惧する声が上がっている。他団体では、近隣住民らでつくる「紺屋町まちづくりの会」が景観保護のルールの策定を市に要望した。
市民の会の呼びかけ人で元市観光課の坂田裕一さん(71)は「立場によるいろいろな流れが大きな渦になればいい」と語る。連絡先は坂田さん090(7794)6642。