温泉旅館チェーンの大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ(東京)は13日、所有する仙台市太白区の「大江戸温泉物語 仙台秋保温泉 岩沼屋」を改修し、和風の温泉リゾートホテル「TAOYA(たおや)秋保」として6月12日に新装オープンすると発表した。名称変更に伴い、江戸時代前期に創業し約400年続いた「岩沼屋」の屋号は消えることになる。
大江戸温泉が高級ブランド化
TAOYAは「ゆったりと、たおやかに」がコンセプトの高級ブランド。割安な料金設定で多人数が楽しめる大江戸温泉物語の路線に対し、主に中高年の夫婦や成人の母娘のような少人数の利用を想定する。
TAOYA秋保は141室で641人収容。1室2人利用で1人1泊2食付き1万9200円から。13日に予約受け付けを始めた。
大江戸温泉によると、岩沼屋は藩制時代の1625年創業とされる。1961年に岩沼屋ホテルの商号に変更し、老舗ホテルとして人気を集めたが、施設の老朽化や新型コロナウイルス禍で業績が悪化。大江戸温泉が2020年、鉄筋鉄骨11階、延べ床面積2万2400平方メートルの建物と土地4万2000平方メートルなどを取得し、経営に乗り出した。
先月10日から営業を休止して全面改修中。露天風呂の増設などを予定する。
岩沼屋が会席料理主体だったのに対し、TAOYA秋保は夕食にもバイキング形式を採用する。宿泊料金は、チェックイン時のウエルカムドリンクや夕食時のアルコールなどの料金を含む「オールインクルーシブ」の形式を継続する。
大江戸温泉の担当者は「海外のリゾートホテルのように、ゆったりくつろげる宿にする」と説明する。
TAOYAシリーズでは19年開業のTAOYA志摩(三重県鳥羽市)、今年4月開業予定のTAOYA日光霧降(栃木県日光市)に続く3館目となる見込み。