「市民遺産制度」の創設検討 仙台市長「観光にもつながる」

仙台市議会9月定例会は12日、本会議を開き、一般質問を続けた。郡和子市長は市民に親しまれてきた歴史的・文化的な資産を認定し、保存や活用に取り組む団体の活動を支援して地域での継承につなげる「市民遺産制度」の創設を検討する方針を明らかにした。

 市民遺産制度は他の自治体で導入されており、千葉修平氏(自由民主党)が提案した。郡市長は「制度は歴史資産を市民協働で保存、活用していく手段の一つで、観光面での活用にもつながる」と答弁した。

 市側は、仙台藩主伊達家から昨年12月、大年寺山公園(太白区)にある同家の墓所の一つ「宝華林廟(ほうかりんびょう)」の寄付を受け、一般公開を目指していると報告した。現地の石灯籠107基は、県内で最大震度6強を記録した2021、22年の地震で倒壊するなどした。

 佐藤秀樹建設局長は「瑞鳳殿との一体的な観光プロモーションなどに役立ててほしいと申し出があった。耐震化を含め、石灯籠を積み直す設計を行う中で、整備スケジュールも検討する」と説明した。

 早坂千亜紀氏(仙台維新)は、市民ニーズの高い公園での花火について見解をただした。現在は防火や煙の観点から原則禁止だが、町内会などの行事の場合には許可している。

 佐藤建設局長は「今夏に七北田公園で手持ち花火を楽しむ企画を実施し、参加者に好評だった。近隣の理解やマナー順守を前提に、公園での花火利用ルールなどについて検討したい」と言及した。

 樋口典子氏(立憲民主党仙台)は、LGBTなど性的少数者のカップルを婚姻相当と認めるパートナーシップ宣誓制度(仮称)の導入に向けた進行状況を聞いた。佐々木淳一市民局長は「骨子案に関する6、7月のパブリックコメント(意見公募)で延べ33個人・団体から意見をもらった。年内の制度導入に向けて準備を進める」と述べた。

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