【ニューヨーク=酒井潤】ニューヨークを訪問している東京都の猪瀬直樹知事は15日夜(日本時間16日朝)の講演で、「年内に都営バスを24時間運行しようと思っている」と明らかにした。
区間については渋谷-六本木間を検討しているという。
猪瀬知事は講演で、「ニューヨークでは地下鉄が24時間運行しているが、東京は1日のうち3時間くらいは動いていない」と指摘。「ニューヨークは地下鉄が複々線で、車線が4本あるので、メンテナンスを交代でできる。日本は複線なのでできない」と説明した上で、「地下鉄は運行時間をできるだけ延長する。ただバスは24時間可能だ」と述べた。
時期については「クリスマスプレゼントになる」とし、六本木-渋谷間を検討している点については「夜更けまで人がいる街だ」と説明した。
講演に先立ち猪瀬知事は、今年2月に営業100周年を迎えたグランドセントラル駅内で、MTA(大都市交通公社)の幹部らから地下鉄事情について、説明を受けた。都関係者によると、MTA側は、3つの事業者が1940年代に統合された経緯や、24時間運行のなかでどう路線の安全を確保しているかなどについて説明したという。
MTA側の説明を受けた後、猪瀬知事は実際に地下鉄に乗り、ホームや通路を改良して乗り換えを容易にしたブリーカーストリート駅に向かい、地下鉄一元化の効果を実感していた。
視察後、取材に応じた猪瀬知事は「東京は五輪招致を目指しており、交通機関の便利さは世界一だが、今回の視察で弱点はないか確かめ、開催都市が決まるまでのプレゼンテーションに生かしたい」と五輪招致への意気込みも語った。