江戸時代の天保年間(1830~44年)の種から復活させた「幻の山形天保そば」が今年で22シーズン目を迎え、31日から山形県内のそば店で提供される。試食会が30日、山形市の鈴木製粉所であり、栽培農家や常連客らが風味豊かなそばを味わった。
天保そばの実は福島県大熊町の旧家から見つかり、譲り受けた鈴木製粉所がそば職人らと協力して1999年に発芽させた。同県戸沢村の山間部約14ヘクタールで栽培され、昨年は平年並みの約3トンが収穫された。
試食会には55人が招待された。山形市の主婦武田美和子さん(76)は「濃厚さの中に甘みがあり、手塩にかけて育てたのが伝わってくる」と話した。
山形市を中心とした13店で、約1カ月間限定で提供される。「幻の山形天保そば保存会」の石沢俊幸会長は「東北のそばの源流とされる味を、ぜひ楽しんでほしい」と語った。